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【格安中華タブレット】Alldocubeのタブレットは微妙だった話【見えづらい欠点】

ここ1~2年で中華メーカーからそこそこの性能かつ低価格を実現したタブレットが数多く発売されていて、ネットではコスパ最強と評価するレビューをよく見かける。

かつてはまともに動かなかった低価格帯のタブレットがどこまで進化しているのか。格安中華タブレットブランドのAlldocubeが出しているタブレットを実際に自費で購入して使ってみたから感想をまとめる。

【結論】割り切って使うならアリ

最初に結論からいくと、Alldocubeタブレットは価格に対して性能・機能は高い一方で実使用では粗さを感じるピーキーな仕上がり。用途を割り切って使うなら良いけど、色々広く浅く使いたいという人は使用感の悪さで不満を感じやすいと思う。

間違っても手放しで「コスパ最強」とは言えない。安物買いの銭失いにならないよう、この記事を参考に自分に合った端末かよく調べてから判断してほしい。

購入した機種と用途

筆者が購入したのはAlldocubeのiPlay 50 Pro MAX NFEとiPlay 60 mini Proの2機種。

iPlay 50 Pro MAX NFEはベッドでごろ寝しながらの動画視聴で、iPlay 60 mini Proは仕事の手帳代わりに使った。ちなみにどちらのタブレットも売却済みで、画像は原稿作成時点で手元に残っていたiPlay 50 Pro MAX NFEのもの。

Alldocubeタブレットは“カタログスペック上は”コスパ高い

出典:Alldocube公式

まずAlldocubeのタブレットはカタログスペックに対する価格が安い。

筆者が購入したiPlay 50 Pro MAX NFEとiPlay 60 mini Proは、SoCはAntutu40万点台のHelio G99でメモリは8GB。ネットブラウジングや動画視聴などの日常使用なら問題なく動く処理性能を持っている。

機能も結構豊富。MicroSD、NanoSIM、サブスク動画高画質再生(WidevineL1)、3.5mmイヤホンジャックに対応。Alldocubeのタブレットなら大抵の機種でこの機能を搭載している。

そして購入当時の価格でiPlay 50 Pro MAX NFEが2万円、iPlay 60 mini Proが2.2万円。

ライトユースなら十分な性能と幅広い使い道がありそうな機能を備えてお値段は2万円前後に収まる。大手ブランドで近い価格と性能を実現しているのはXiaomiくらいで、機能についてはAlldocubeタブレットのほうが充実している。こう見ると確かにコスパは高く見える。

Alldocubeタブレットはスペック表で見えない部分が弱い

ただし実際に使ってみると、スペック表からは見えない価格相応な部分が随所に見えてくる。

具体的にはソフト・ハードの仕様や挙動の作り込みが甘く、使いづらいと感じる場面が結構あった。

Alldocubeタブレットの弱点

筆者が感じたAlldocubeタブレットの弱点は以下の通り。

  • OS・UIが貧弱
  • アプリの最適化不足
  • 音量調整が大雑把
  • OS・セキュリティアップデートが弱い
  • 筐体の剛性が弱い

OS・UIが貧弱

出典:Alldocube公式

Alldocubeのタブレットに搭載されているOSは機種によって微妙に違う。ほぼピュアAndroidのもの、若干カスタムされた「Alldocube OS Lite」、よりカスタム色が強い「Alldocube OS」が存在する。

iPlay 50 Pro MAX NFEはピュアなAndroid13が、iPlay 60 mini ProはAndroid14ベースのAlldocube OSが載っていた。公式サイトには搭載OS自体は明記されているものの、実際何がどう違うのかがユーザーには分かりづらい。なぜこんな仕様なのかは謎。

iPlay 50 Pro MAX NFEは素のAndroidということで、GalaxyやXiaomiのようなカスタムOS由来の便利機能はない。

クイック設定パネルでWi-Fiとモバイルデータ通信が「インターネット」で一纏めになっていたり、

アプリの分割表示が直感的にできなかったりするピュアAndroidの不親切な仕様はそのまま。

出典:Alldocube公式

iPlay 60 mini ProのAlldocube OSはクイック設定パネルがiOSライクなものに変更されていたり、画面端からショートカットを呼び出せるエッジツールも使えたりと、ピュアAndroidよりは便利で使いやすくなっている。ただし時々スリープ解除後に操作を受け付けないことがあったりOSアップデート後のバグでジェスチャー操作が使えなくなったりと、安定性が低い印象を受けた。

アプリの最適化不足

これはiPlay 50 Pro MAX NFEに頻発した現象。既定のホームアプリを標準の「QuickStep」以外に設定すると度々「QuickStepが動作を停止しました」の警告が出てくる。警告を閉じた後は何事もなく使えるものの、いちいち煩わしいし本当に問題が起きているのか判断しづらい。

普段Nova Launcherなど外部ランチャーに切り替えているユーザーには不快な仕上がりになってしまっている。

音量調整が大雑把

iPlay 50 Pro MAX NFEとiPlay 60 mini Pro、どちらもスピーカーの音質は価格相応で良くない。音質は仕方ないとしても問題は音量の調整で、音量最小から最大までの調整幅は細かい(最大音量が小さい)一方で音量0から最小の上がり幅がとても大きい。MAXを100とすると、まず0から20まで一気に上がってそのあとは5ずつ上がっていくイメージ。

小さい音量で使いたいときに融通が利かない。

OS・セキュリティアップデートが弱い

これはAlldocubeに限った話ではないけど、格安中華メーカーのタブレットにソフトウェアアップデートが来ることはほとんどない。

iPlay 50 Pro MAX NFEのセキュリティアップデートは2023年10月で止まったまま。iPlay 60 mini ProにはAlldocube OSのバグ修正アップデートが何回か来たけど、セキュリティアップデートは2024年を最後に更新が止まった。

だから自分で対策をしない限りセキュリティ的な耐用年数は短い。

筐体の強度が不安

iPlay 50 Pro MAX NFEは若干の力を加えただけで筐体からミシミシと軋む音がした。iPlay 60 mini Proは小さい8インチサイズだからか軋みはしなかったけど、カバンに入れたり子供用のタブレットにしたりする用途では耐久性に不安が残る。

安価なものでいいから保護ケースをセットして使いたい。

Alldocubeタブレットの魅力

弱点を一通り説明したところで、Alldocubeタブレットを使って良かったところを紹介する。

  • 可能性は幅広い
  • ラフに使える

可能性は幅広い

普通に使えるスペックを下地に機能をマシマシにしているおかげで使い道は幅広く用意されている。弱点を把握したうえで割り切って使えば安くて便利な端末として輝く余地がある。

思いついた使い道をリストアップしてみる。

  • データ通信SIMとGPS搭載の機種をカーナビとして使う
  • MicroSDに家族の写真を保存して大容量のデジタルアルバムとして使う
  • 高解像度・WidevineL1対応機種で電子書籍や動画視聴専用機として使う
  • データ通信SIM対応の小型機種を出先でデジタル手帳代わりに使う

ラフに使える

Alldocubeタブレットはその安さを武器にしてダメージが入りやすい環境でも割り切ってガンガン使っていける。もし壊れたとしてもお財布と精神的なダメージは少ない。

床に落としても物にぶつけても構わない子供専用機にしたり、Androidのroot化など色々弄りたいギークな人の実験台にしたりしてもいい。破損上等の使い捨てマシンとして使えるのは高額な大手ブランドの機種にはない強み。

カタログスペックだけでなく使い勝手も大切

Alldocubeタブレットは値段の割に高性能・高機能であるのは間違いない。ただし実際に使ってみるとUIやアプリの最適化など使い勝手の面で粗さを感じる。価格に対する全体的な出来としては普通もしくは微妙なところ。

コスパは販売価格に対してカタログスペックが高いほど良いと判断されがちだけど、結局はそのスペックがどれだけ使いやすい道具として調整されていなければ最終的なパフォーマンスは低い。Alldocubeのタブレットはそこの調整が雑で、手放しで「コスパ最強」とは言えない出来。

繰り返しにはなるけど、用途を絞った特化機として使うなら良コスパになりうる、というのが筆者の評価になる。価格が安いという理由だけでAlldocubeタブレットの購入を検討している人はいったん考え直してみてほしい。

出費に対する満足度は大手ブランドが上

Alldocubeのタブレットを検討する人の多くはコスパの良さを求めていると思うけど、使用感から得られる満足度や最終的にかかる費用までを考えると大手ブランドも全然あり。

出典:Xiaomi公式

低価格帯のAndroidタブレットなら今はシャオミが幅広く展開している。Redmi Pad SE 8.7、POCO Pad、 Redmi Pad 2がAlldocubeに近い価格帯で買える。筆者はあまり好きではないけどXiaomiのOSはかなりカスタムされていて、使い勝手・安定度ともにAlldocubeよりは良い。

出典:Apple公式

Androidに拘りがないならiPadでも良い。本体価格は高いけどリセールも高いから売却後の最終的な手出しは意外と少ない。OSアップデートが5年以上あるおかげで耐用年数が長く、性能も余裕があるから使い潰す選択肢も取れる。無印iPadのApple認定整備済製品ならほぼ新品のものが安く手に入るからお得。

タブレットに何をどこまで求めるのか、よく調べたうえで購入する機種を選ぶことをお勧めしたい。

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