Xiaomiから発売された新型スマートバンド、Xiaomi Smart Band 7 Proを購入した。
約1年前に購入した同じくXiaomiのスマートウォッチ、Mi Watchからの乗り換えのつもりで購入に至った。
上級スマートバンドのSmart Band 7 Pro。買うべきか、標準モデルのSmart Band 7(旧名称:Xiaomi Mi Band 7)、そして似た価格と機能を持つMi Watchと比較する。
※レビュー写真は全て、購入時に付属していた保護フィルムを装着した状態です。
Smart Band 7 Proは買う理由に乏しい
まず最初に結論から言うと、Smart Band 7 Proは積極的に選ぶモデルではない。価格重視なら無印Smart Band 7、GPSとAlexaが欲しいならMi Watchを買ったほうがいい、というのが個人的な結論。
Smart Band 7 とSmart Band 7 Proを比較すると、
- 基本的なワークアウトやヘルスケア機能はほぼ同じ
- Smart Band 7 は約7,000円安い
- Smart Band 7 はバッテリー持ちが2日間長い(最大14日)
Mi WatchとSmart Band 7 Proを比較すると,
- 基本的なワークアウトやヘルスケア機能はほぼ同じ
- Mi Watchは約1,000円安い
- GPS、Alexaはどちらも搭載
- Mi Watchはバッテリー持ちが2日間長い(最大16日)
- Mi Watchは物理ボタン付き
基本的に出来ることはどのモデルも同じで、しかも比較の両機種ともにSmart Band 7 Proよりも安い。よほどの理由が無い限り、Smart Band 7 Proは選択肢に入らない。
スマートウォッチ・バンドに求めるもの
Smart Band 7 Pro本体を見ていく前に、個人的にスマートウォッチ・バンドに求めるものをリストアップする。上から順に重要視している機能で、これを基準に評価している。
- スマホ通知の通知
- 好みのウオッチフェイス
- 長時間バッテリー(最低5日間)
- アラーム
- タイマー
- 音声アシスタント
- GPS
今回Smart Band 7 Proを購入した理由は、Mi Watchの不満点の解消のため。自分の腕にはやや大きすぎるサイズ感と、使いたいと思えるウォッチフェイスの少なさが地味なストレスだった。
その解決案として、Mi Watchより小型、好印象なウォッチフェイスが備わっているSmart Band 7 Proが良い乗り換え先になりそうだったから購入した。
Smart Band 7 Proのスペック
Smart Band 7 Proのスペック紹介。参考に無印Smart Band 7、Mi Watchのスペックも記載する。
Smart Band 7 Pro | Smart Band 7 | Mi Watch | |
価格 | 14,800円 | 6,990円 | 13,980円 |
サイズ | 44.7 mm × 28.8 mm × 11 mm | 46.5 mm × 20.7 mm × 12.25 mm | 45.9 × 53.35 × 11.8mm |
重量 | 20.5g | 13.5 g | 32g |
ディスプレイ | 1.64インチ AMOLED AOD対応 |
1.62インチ AMOLED AOD対応 |
1.39インチ AMOLED AOD対応 |
バッテリー | 最大12日 | 最大14日 | 最大16日 |
防水 | 5ATM | 5ATM | 5ATM |
GPS | BeiDou、GPS、GLONASS、Galileo、QZSS システム | × | GPS、GLONASS、Galileo、BDS |
音声アシスタント | ○(Alexa) | × | ○(Alexa) |
連携アプリ | Mi Fitness | Mi Fitness | Mi Fitness |
Smart Band 7 ProはGPSとAlexaを搭載し、スマートウォッチと同等の付加価値を持っているのが特徴。スマートバンドとして見るとPro版らしく機能は充実している。
Smart Band 7 Proはシンプルな外装
Smart Band 7 Proはディスプレイがそのまま取り付けてあるだけのミニマルな構成。素材は全体的にプラスチックが使われているんだけど、ディスプレイ周辺はメッキ加工がされている。
スマートバンドによくあるスポーツ用途全振りの外観とは一味違う、落ち着いた印象がある。ホワイトだと白地にゴールドのメッキが施されるので、多少高級っぽいデザインに見えやすい。
ただし、メッキ加工は特別高級感があるわけではない。プラスチック素材だけのものよりは多少上質に見えやすい程度のもので、価格を考えると可もなく不可もなく、のレベル。
ウオッチフェイスは落ち着いたデザインが充実
Smart Band 7 Proはウォッチフェイス(文字盤)のデザインの質が高い。100種類以上から選べるのはSmart Band 7 やMi Watchと同じだけど、特にクラシック、シンプルなものが充実している。
スマートウォッチ、スマートバンドはスポーティなデザインや機能性重視の派手なウォッチフェイスが多くて、日常生活やビジネスシーンに馴染むデザインの選択肢はそこまで多くない。Mi Watchはそれが顕著で、スーツ姿や普段着に合わせたいと思えるウォッチフェイスは2種類くらいしかなかった。
対して、Smart Band 7 Proは直感で「良い!」と感じるデザインがMi Watchに比べてかなり多い。常時表示にも専用デザインが用意されているウォッチフェイスもあり、デザイン的な満足度はかなり高い。
自分が気に入っているのはこの4つ。運良くギリギリストレージに収まりきった。
ただし重大な欠点もある。
ストレージが少なすぎる
ウォッチフェイス切り替えるためにはウォッチ本体のストレージに一度保存する必要があるんだけど、Smart Band 7 Proは保管用のストレージが小さすぎて、保存できるデザイン数がかなり少ない。
デザインごとに表示されるデータサイズから推測すると、保管用のストレージ容量はわずか約7MB。
1デザインあたりのデータサイズは0.9MB~4MBとばらつきが大きく、ものによっては2つしか保存出来なかった、ということもあり得る。Mi Watchに比べてデザインがかなり進化していただけあって、非常にもったいない。
ちょうどいいサイズ感と重量
無印Smart Band 7 と比べると、ディスプレイはかなり大型化している。スマートバンドというよりスマートウォッチ。サイズはApple Watch 40mmモデルに近い。
このサイズ感と重量はとても好き。
Mi Watchと比べてみると、ディスプレイ形状の違いも相まって受ける印象はかなり違う。自分の腕周りが細いこともあって、Mi Watchだとちょっと大きすぎる印象が否めなかったけど、Smart Band 7 Proではこの違和感が全く無い。
Mi Watchから10g近く軽くなったこともあって、身に付けている感覚が全くない。「あれ、スマートウォッチ着けてたっけ?」と一瞬焦るレベル。もはや体と同化していると言っても過言ではないくらい。
今の自分の体格には、この大きさと重量が1番体に馴染むんだと思う。
意外と良い付属バンド
付属のバンドはTPU製で、これも意外と良かった。
Mi Watchにも同じようなTPUバンドが付属していたんだけど、素材はザラつきがあってあまり肌触りは良くなかったし、ホコリも付きやすかったからまず使う気になれなかった。
Smart Band 7 ProのそれはMi Watchとは全く別物。肌なじみが良く汚れも目立ちにくい、積極的に使いたいレベルまでクオリティが上がっていた。他社のスマートバンドや無印Smart Band 7との相対的なクオリティ差はわからないけど、普通に使うぶんには不満が出ることはまずない。
サードパーティ製バンドが少ない
付属バンドの出来は良かったんだけど、利便性の都合上、元々の予定ではMi Watchと同様にミラネーゼループバンドに変える予定だった。
というのも、Smart Band 7 Proのバンドは本体への装着部分が独自規格になっていて、Smart Band 7 Pro専用のバンドでないと取り付けることができない。ここで独自規格の宿命、対応品が少ないという問題に直面した。
Amazonも楽天も取り扱いが無く、AliExpressでなんとか見つけて購入。これで一安心と思いきや、接続部分の作りが雑でまともに固定が出来ないハズレ品だった。
現状、まともに使えそうなミラネーゼループバンドは国内外の通販で見つけられていない。付属バンドが中々良かったからしばらくはこれを使う。
動作は基本ヌルヌル、時々もっさり
Smart Band 7 Proの動作感は特段悪くない。Apple Watchほどの滑らかさは無いものの、ストレスを感じない程度にはスムーズに動作する。
ただし所々でフレームレートが落ちるところがある。一番分かりやすいのは通知画面とアラームの時刻設定で、ここに限ってはスワイプするだけでもカクついた動作になる。最適化の問題なのか、詳しい理由は不明。全体的な動作感はMi Watchのほうが若干良好な印象。アップデートで改善されることを期待。
選択肢のある機能とUI
ヘルスケア機能の動作とメニュー画面からの機能アクセスはある程度ユーザーが制御できるようになっている。各種設定や制御は連携アプリのMi Fitnessから行える。
ヘルスケア機能は心拍数やストレスチェックの測定頻度やトラッキングのレベルなど、バッテリー持ちに関わる項目をSmart Band 7 Pro本体もしくはアプリから変更できる。
活用したい機能はON、使う予定の無い機能はOFFにすることで、バッテリーと機能性を両立しやすくなっている。
UIはメニュー画面の表示が2種類から選べる。
アイコン1列名前ありと、アイコン2列名前なし。最初はどのアイコンが何の機能かかなり分かりづらいはずだから、最初は1列、慣れてきたら情報量が多くなる2列に変えて運用するのがいいかも。
微妙に不親切な通知画面
通知アプリアイコンは全て共通の物で、どのアプリからの通知なのか、ぱっと見での判別は少しやりづらい。
Smart Band 7 Proの通知設定は、管理アプリから通話やチャット系アプリは個別に通知のON/OFFを切り替えられるようになっている。
これはMi Watchも同じで、Mi Watchの場合、個別で通知を設定したアプリはそのアプリアイコンが通知画面に表示されていたから直感的に分かりやすかった。同じ管理アプリ、同じ設定画面でSmart Band 7 Proはなぜ対応していないのか意味不明。
物理ボタン無しの操作はイマイチ
無印Smart Band 7 と同じく物理ボタンは無し、タップとスワイプのみで操作する。画面をタップすると文字盤が表示され、そこから各種機能にスワイプでアクセスできる。この操作性は正直微妙だった。
Smart Band 7 Proをしばらく使ってみて感じたのは、スマートウォッチには物理ボタンは1つあったほうが快適ということ。物理ボタンが有ることで得られるメリットがかなり多かったことを実感させられた。
物理ボタン搭載による具体的なメリットは、以下の3つ。
- 確実な操作性
- ホーム画面等のショートカット
- アラームやタイマーの通知停止
物理ボタン無しの見た目はスッキリするけど、それと引き換えに失うものが多い。元々スマートウォッチは操作する直接操作する機会が少ないデバイスだから致命的な欠点では無いけれど、操作性はあまり良くないと地味にストレスが溜まっていく。
特にウィジェット画面の仕様との相性が悪い。文字盤から左右にスワイプして操作するんだけど、画面がループ仕様になっていないから、文字盤に戻るためにいちいちスワイプする必要がある。Mi Watchだとホームボタン1クリックで戻れていたから操作性は大幅に劣化している。ここもアップデートで直してほしい。
ただし良いところも1つ。Alexaウィジェットを文字盤の隣に設定しておけば、1スワイプでAlexaが起動できる。
その他細かい部分
バッテリーは許容範囲
Mi Watchからの乗り換えで最大稼働時間は16日から12日に減ったけど、使用感は全く変わらず、充電周りでストレスを感じることはなかった。
トラッキングは睡眠のみ、GPSは未使用、日中のみ常時表示設定で、バッテリーは約8日程度持っった。
満充電までの時間は約60分で、不満を感じることはないスペック。
GPS精度は良好だと思う
ほとんど使う機会はないと思うけどGPS計測も一応やってみた。職場までの徒歩ルートで計測してみた。高い建物が周りにない田舎ということもあってか、位置情報は正確に測定出来ていた。時々気まぐれで運動することがあるから、その時にスマホ無しで計測できるのは便利かもしれない。
Smart Band 7 かMi Watchがおすすめ
Smart Band 7 Proの基本的な機能はMi Watchとほぼ同じ。主な違いはデザインと価格。
機能重視なら約1,000円安く、物理ボタン付きで操作しやすく、バッテリー持ちも長いMi Watchを買ったほうがいい。GPSとAlexaが不要なら、約7,000円安い無印Smart Band 7を買ったほうがいい。
選ぶ理由は、デザインが気に入って指名買いにするぐらいかも。強力な自社競合の狭間にある中途半端なモデル、というのがSmart Band 7 Proの評価。
こんな評価だけど、今回購入した理由であるサイズ感とデザインの不満の解消という目的は果たしてくれた。
操作性や通知機能など完璧ではない部分はあるものの、違和感なく体に馴染み、気に入ったデザインで使うことができるのは、毎日身に着けるデバイスとしてかなり重要なところ。Mi Watchは売却して、新たなメインの時計としてSmart Band 7 Proを使うことに決めた。