iOSで使えるアプリウィジェットはけっこう便利で積極的に使っている。
ただ、機能面で若干の不満が常にあった。表示領域が大きい割には使える機能が少なかったり、常時表示して欲しい情報が表示されない形式のデザインだったり、自分の求めているウィジェットを見つけ出しにくいことにモヤモヤしていた。
だったらウィジェットを自作すれば解決では?と思ったので挑戦してみた。その成果と感想について記事にする。
自由度が高いウィジェットアプリ「Widgy」
iOSのウィジェット作成アプリはWidgetsmithが有名。手軽におしゃれで便利なウィジェットを作成できるのが魅力のアプリだけど、実用的な機能のカスタマイズはかなり限定的。
そこそこの画面領域を使用する以上、ウィジェットにはもっと利便性を高める機能を詰め込んだものを作りたい。実用重視の人向けのウィジェット自作にはWidgyが向いている。
Widgyはカスタマイズ性の高さが特徴で、デザインから機能まで全て1から作ることができる。Widgyをネットで検索してみると高クオリティの作例がたくさん載っているから、自分も一度Widgyで実用性重視のウィジェットを作ってみようと思った。
ただし一度挫折しかけた。
欲しかったウィジェットを自作
結論、完成した自作ウィジェットがこれ。デザインはiOS16のロック画面をイメージした。
機能は以下の6つを備える。端末の基本的な機能や設定に関わる機能を集めた、第2のコントロールセンターのようなものを想定した。
- 日付(カレンダー起動)
- 時刻(時計起動)
- App Store起動
- ショートカット起動
- 設定起動
- バッテリー残量(バッテリー設定起動)
App Storeやショートカットのアプリアイコンは本当はそのまま使いたかったけど、うまく取り入れることが出来なかったから他のApple純正アイコンで妥協した。
タップアクションでアプリと連携
Widgyはタップアクションを配置することで好きなアプリ、Webサイト、ショートカットなどを起動できるアクションが使えるようになる。
それぞれの表示領域に、タップでアプリやショートカットが起動するアクションを設定している。
時刻をタップすれば時計アプリが起動、バッテリー残量をタップすれば低電力モードに切り替えを行うなど、iOS16のロック画面ウィジェットと同じような動作ができる。
作るためにはかなりの労力が必要
Widgyは設定できる項目が豊富すぎるから、一つ一つ解説していくのはまず無理。
共通の作業を超ざっくりと解説すると、
- 作りたいウィジェットサイズを決める
- 新しいレイヤーから自分が欲しい機能を選択して、それぞれ好きなように調整する
- 完成したらホーム画面に追加
の3ステップ。作業の9割9分は作業②の調整に費やすことになる。
ここで多くの人は一度絶望すると思う。一つのレイヤーごとに細かい設定や調整をする必要があるから作業量がハンパじゃない。
バッテリー残量を円グラフと%で表示したい時を例に挙げる。ウィジェット左下に表示されている表示を作りたいときは、以下の4つを追加する必要がある。
- 背景(角丸の白い四角形)
- バッテリー残量数字(%表示)
- バッテリー残量グラフ(緑の円グラフ)
- 円グラフ(グラフのグレー背景)
そしてそれっぽく見せるために、この項目一つ一つにフォントサイズ、色、形状など細かい調整をしていく必要がある。これをスマホの、iPhone12miniの画面でやっていくのはかなりの苦行。
最初、バッテリー残量を示すだけで20分近くを費やした。その後試行錯誤を繰り返し、数時間かけて最初にできた成果物がこれ。
微妙。少なくともこれを自分のホーム画面に常駐させたいとは思わない出来。
ただ、ここまで来て諦めるわけにはいかない。なんとか使えるものに出来ないかと模索した結果、公開されている高クオリティの作品から自分の使い道に合いそうなものを一部拝借して改造することにした。
もちろん個人利用前提。
最初は他人の作品をパクる
Widgyはウィジェット作成に加えて、Widgy内で作成、公開している他ユーザーの作品をインポートすることができる。インポートした作品はそのまま自分の端末で使うこともできるし、自作したウィジェットと同じくレイヤー単位から自由に編集できる。
自分を含め自作に慣れていない人は、まずは偉大な先人の知恵や工夫を借りて試してみるのが近道。
インポートした作品は上述の通り、自由に編集が可能。使いたいと思った表示形式やインジケータはそのままコピー&ペーストができるから「この公開作品のアプリ表示方法だけ取り入れたい」と思ったときも数タップで簡単に抽出できる。
抽出したデザインをコピペすれば見た目の統一感も出しやすい。自作の所要時間を劇的に短縮できる。今回自作したウィジェットは元々iOS16のロック画面を参考に作ろうと思っていたんだけど、見た目の調整がうまくいかなかったから、既に公開されていたiOS16風の作品からデザインをお借りした。
具体的にはバッテリーのインジケータ。この表示方法をコピペして、アイコンを変えて、タップアクションを新しく追加して...という改造を施してなんとか使いたいと思えるレベルまでこぎつけた。
製作者様に感謝。
使いこなすには熟練が必要
他人の作品からパクったところで最終調整は自分でやる必要があるから大変なことには変わりなかったけど、最終的には自分が欲しい、使いたいと思えるウィジェットを自作することができた。
Widgyの魅力はデザインと機能の自由度が非常に高いこと。ただし使いこなすにはかなりの熟練が必須。やろうと思えばAndroid並の魔改造をすることもできると思うけどその道は遠い。
便利で良さげなデザインのウィジェットをなんとか自作したい、という人は参考にしてWidgyを試してみてほしい。他人の作品を使うときは個人利用の範囲で。