東京生活を支える自転車としてブリヂストンのTB1を購入、それから2か月が経った。
まともに自転車に乗るのは高校生のママチャリ以来で、この手のスポーツ系、もとい通勤クロス系の自転車に乗るのは人生で初めて。しばらく乗ってみて分かったことを中心にレビューする。
【結論】TB1は理想的な通勤用自転車

まず結論からいくと、TB1は筆者の理想を形にしたような通勤用の自転車だった。
東京で生活する間は毎日使う乗り物だし、決して安い買い物ではなかった。それでも無事当たりを引くことができてホッとしている。今では東京勤務が終わった後も乗ろうかなと思うくらい気に入っている。
筆者の主な用途は通勤と買い物。時々片道5~10kmのちょっとした外出にも使っている。走る道は大半が平坦で、たまに緩やかな坂がある程度。荷物は基本的にリュック1つで、時々食料品や日用品を追加で積むくらいという環境。
TB1をここまで高く評価しているのは、単なる通勤用にとどまらず、生活全体を支える自転車として十分な性能を持っているから。
上に書いたような通勤、買い物、ちょっとした遠出を問題なくこなせる。ママチャリのように遠出がきついわけでもなく、スポーツバイクのように荷物が載せにくいわけでもない。通勤以外の色々な場面で使える絶妙なバランス感が、TB1の評価を大きく押し上げている。
TB1の特徴とスペック

TB1がどんな自転車なのかを解説すると、ブリヂストンから通学・通勤向けとして販売されているクロスバイク。ただし本格的なスポーツ車とは毛色が異なり、ママチャリ的な実用性も取り入れているのが特徴。
スポーツ極振りではなく、通勤通学に困らない実用性とのバランスを取った自転車ということ。それゆえに中途半端な印象もあるようで、ネット上では「もっと本格的なスポーツ車買ったほうがコスパいい」とか「ママチャリに毛が生えた程度のものを買う意味が分からない」といった否定的な意見も少なからず見かける。
TB1購入までの経緯は以下の記事で書いているんだけど、筆者は「ママチャリより速いママチャリ」を求めていたから、むしろこの中途半端さを魅力と感じて購入を決めた。

TB1と関連して購入したものは以下の通り。
| 品目 | 購入価格 | 目的 |
|---|---|---|
| TB1(TB482) | 51,920円 | 2022年の型落ちモデル。現行モデルとの違いはボディカラーのみ。 |
| 前かごキャリア | 3,960円 | 純正オプション。かごを取り付ける台座。 |
| 前かご | 5,940円 | 純正オプション。ステンレス製で錆びにくい。 |
| リアキャリア | 6,160円 | 純正オプション。荷物の固定用。 |
| チェーンケース | 1,980円 | 純正オプション。ズボンの破損防止。 |
| バッテリーライト | 2,999円 | 安全装備。夜間の視界確保用の追加ライト。 |
| ワイヤーロック | 1,599円 | 盗難防止。標準装備の鍵と二重ロックにする。 |
| ミラー | 2,380円 | 安全装備。後方の確認用。 |
| 携帯六角レンチ | 1,674円 | 整備用品。アクセサリーの取り付け等。 |
| スーパー5-56 | 387円 | 整備用品。錆止め。 |
| 腕時計 | 1,540円 | 実用装備。時刻確認専用で自転車に付けっぱにする。 |
| 防犯登録 | 600円 | 必須。 |
| 合計額 | 81,139円 |
ほどほどのスポーツ走行ができそうな構成
自転車のことはからっきしだから細かいパーツのスペックは分からないけど、調べた限りギアやブレーキはスポーツ走行向けのパーツが採用されているらしい。
重量は約15kgとスポーツ車両としては重たいほうだけど、これは実用装備を色々積んでいるから仕方ない。
充実の実用装備
TB1にはママチャリのような実用装備が充実している。標準で駐輪スタンド、ハブダイナモ式のオートライト、泥除けを装備。
オプションも用意されていて、筆者は前後の荷物置き場とチェーンカバーを追加した。
維持・メンテナンスが楽なパーツ構成
TB1はチェーンとタイヤに耐久性を重視したものが採用されている。日常のメンテナンスはママチャリと同様にチェーンの油さしやタイヤの空気入れ程度で十分。
毎日乗るものだから楽にコンディションを維持できるのは助かる。
3年間の盗難補償付き

TB1には3年間の盗難補償が付いていて、付属するカギ3本がすべて手元にある状態で盗まれた場合は3,300円の負担で同一車種が購入できるようになっている。
初めての東京暮らしで生活エリアの治安がどれくらいか分からないなか、もしもの時の補償付きなのは助かった。幸い生活エリアは穏やかな雰囲気で治安面の心配はいらなさそうではあるけど、有り難いことに変わりはない。
TB1の実物は意外とカッコいい

次にTB1の外観を見ていく。納車直後の画像データが手違いで無くなってしまったから一通りカスタムした後の写真になる。
外観はクロスバイクとママチャリを足して2で割った感じで、クロスバイクをベースにママチャリ的な装備が足されている。
筆者は自転車に関しては正直どれも同じに見える程度の知識しかないんだけど、実物を見ると結構カッコいいと思った。車体にメーカー名や機種名などのデカールが貼ってあるのは80年代~90年代の自動車っぽい。古臭いけど逆にそれがいい。

カスタムで取り付けたチープカシオの腕時計と、サイドミラーの加飾も相まってよりネオクラシック感が強くなった。とても良い。

乗り心地は多少の慣れが必要

TB1を実際に乗り出してみるとママチャリとは色々勝手が違うことに気づく。
サドルのポジションが高いから車体をかなり斜めに傾けてからまわし蹴りの要領でまたがることになる。ハンドルとサドルの位置関係的に乗車姿勢はママチャリより気合の入った前傾の姿勢になる。

停車中はそのままの姿勢だとつま先立ちになる。安定させるには乗車時と同様に車体を大きめに傾けないといけない。
すぐに慣れるけどこういうところからママチャリとは違うことを実感する。
街乗りで十分な速さと快適さがある
いざ走り出してみると思った以上にパワフル。踏み出しの軽さも加速感も、かつて乗っていた安いママチャリと比べると明らかに一回りも二回りも上。
ブレーキは強めで、一気にかけると体が投げ出されそうな感覚がある。制動力の調整は握り具合にリニアに反応してくれるから扱いそのものは簡単。雨の日も制動力が落ちる印象はなく、安心して使えるブレーキになっている。
サドルは若干固めな気がするけどクッション性は十分。股が痛くなることもないから毎日乗っても苦にならない。
街乗りとちょい遠出くらいなら十分余裕な走行性能で、乗っていて疲れを感じにくい。もう少し長距離の運転になれば本格的なクロスバイクとの差ははっきり出てくると思うけど、日常使いがメインならオーバースペック過ぎないちょうどいい塩梅だと思う。
高速巡航が楽なギア比

疲れを感じにくいのはたぶんギア比が街乗りにちょうどいい設定だからだと思う。平坦な市街地なら3-4速で発進、ちょっと加速してすぐ5-6速に入れれば簡単に高速巡航に移れる。
大抵の坂道も2-3速でそこそこ軽快にクリアできる。7速は市街地だと危険を感じる速度域だから滅多に使わないし、1速はよほどの坂でない限り2速で事足りる。市街地を安全運転の範囲で、なおかつママチャリよりちょっと速い速度で走るには困らないギア比になっている。
TB1は悪天候や買い物にも対応可能
TB1は泥除けやカゴが付いているから幅広い場面で活躍できるのも強み。
泥除けがあれば雨の中や雨上がりでも服が汚れにくいし、

前かごは若干小さいのが惜しいけどリュックやちょっとした荷物ならギリギリ載るから許容範囲内。

筆者はオプションのリアキャリアを追加したから後ろにも荷物を載せられる。クーラーボックスを固定すればある程度のまとめ買いや冷凍食品の購入にも対応可能。

走りはスポーツっぽく、実用性はママチャリに近い

TB1はスポーツ車ともママチャリとも言えない独特な自転車で、通勤・買い物・ちょっとの遠出でちょうどよく使えるバランスを持っている。
市街地の通勤やたまの遠出なら十分な速さと軽快さがあるから楽に移動できて、近場の買い物ならちょっとした工夫で荷物も十分運べるから乗り物としての無駄が出ない。
ほぼ毎日乗ることになる乗り物でここまでのことができれば文句はない。筆者にとっては非の打ち所がない最高の自転車。とてもいい買い物をした。
中途半端ゆえに第一候補にはなりづらい

とはいえTB1は中途半端な自転車であることも事実で、筆者のように満足できる人はあまり多くないであろうことははっきり伝えておきたい。
ブリヂストンの掲げる「スポーツ・通勤・通学向け自転車」というコンセプトは一見万人受けしそうではあるものの、実際に刺さる層は意外と少ない。どっちつかずというネットの評価はその通りだと思う。

まずスポーツ車として見ると邪魔な装備が多すぎる。TB1が買える5~6万円の予算ならもっと本格的な車種が買えるから、この時点でまず候補外。

次に自転車通学用のマシンとして見ると金額がネック。自転車だけで5万円以上となると、おそらく親としては出費を躊躇する金額。
育ち盛りの年頃で、短期間で自転車のサイズが合わなくなる可能性がある以上、安いママチャリを使い捨て感覚で乗るほうが学生には合っていると思う。マシンスペックの低さは若い体力と脚力でカバーできるからここでもTB1は難しい。

最後に社会人の通勤マシンとして考える。加齢で落ちていく身体能力を補ったり、仕事用の体力を温存したりするためにスペックを上げて通勤を楽にする、という発想で行くとようやくTB1は候補になる。
ただ、子供の送り迎えとか重い物を運ぶ用途が入るなら必然的に電動自転車が第一候補になるはず。しかも電動自転車なら誰でもリラックスした姿勢で快適に走れるから家族間でも使いまわしやすい。価格は高くても汎用性を考えるとコスパは電動自転車のほうが上。
つまりTB1はどの用途でも第一候補になることが難しい器用貧乏な自転車。
TB1が刺さる層は狭い
これらを踏まえてTB1が合う人の条件をまとめると、
- ママチャリでは軽快に速く走りたい
- かといって、電動自転車はオーバースペックに感じる
- ママチャリと同等の実用性とメンテナンス性は欲しい
- 日常使いに必要な保安部品や実用装備は、最初から付いていてほしい
ママチャリでは物足りない
・かといって、電動自転車はオーバースペックに感じる
・ママチャリより軽快に速く走りたい
・ママチャリと同等の実用性とメンテナンス性は欲しい
・日常使いに必要な保安部品や実用装備は、最初から付いていてほしい
ということになる。
ここまで読んでもまだ第一候補に残っているなら、おそらく数少ない「TB1が刺さる人」だと思う。
