日本でもキャッシュレス決済が普及して久しいけど、現金も限定的ながらまだまだ場面がある。
筆者は普段使い用の財布と現金専用の財布で使い分けていて、先日現金用の財布を新調したから紹介する。普段キャッシュレス決済を使っているがために現金の取り回しに困っている人は参考にしてほしい。
財布は普段使い用・現金用の2機体制

まず筆者の普段の決済はほぼ全てキャッシュレスで、主にApple Payでクレジットカードのタッチ決済を使っている。そのほかにQRコード決済と物理クレジットカードがあればほとんどの支払いには対応できる。だから財布もその運用に最適化していて、カード数枚と予備の現金を収納できるSECRID MINIWALLETを愛用している。
とはいえ現金が必要な場面も依然残っている。例えば病院、個人経営の飲食店、飲み会の割り勘、それとドラッグストアのコスモス。あらかじめ行く予定があれば現金用意しておくけど、小銭の持ち運びにSECRID MINIWALLETは向かないから現金専用のサブ財布を使っている。

サブ財布は数年前にGUで1,000円くらいで購入したもの。

マルチカードケースとして売られていたけど、商品名とは裏腹に大きめの小銭入れとして使えるメインポケットと数枚のお札とカードが入るサブポケットの構成で、現金の持ち運び用としてちょうどよかった。
サブ財布(GUマルチカードケース)の不満

GUの財布は確かに便利ではあったけど、お札はしっかり四つ折りにしないと収納できないのが不満だった。
まず広げるのに一手間かかるし、折り目がハッキリ付いてしまうとセルフレジや両替機でエラーも出やすい。致命的な欠点ではないから使い続けていたけど、数年使って色々と経年劣化が目立ってきたから買い替えを検討していた。
サブ財布に求めるもの
以上を踏まえて筆者がサブ財布に求めるものは以下の通り。
- コンパクトであること(SECRID miniくらいのサイズ感)
- お札は折らなくても入る設計であること(若干の折りグセは許す)
- 硬貨が15枚程度入ること(お札を崩したときの小銭大量湧き対策)
- カードが2〜3枚入ること(病院の診察券やレシートを入れるため)
- 高耐久の素材で壊れにくいこと
要するに、GU財布の使い勝手はそのままにお札の取り回しと耐久性を改善した財布がほしい。
ChatGPTと一緒に探して見つけた
コンパクトな財布自体は市場に溢れかえっているけど、いざ条件に合うものを探してみると意外と見つからない。そこでChatGPTに上で書いた経緯や条件を伝えて調べてもらうと、いくつか良さそうな財布を候補として出してくれた。こういう時AIが便利。
そのうちの1つが今回紹介するmont-bellのトレールワレットで、候補の中で最もGU財布に近いスペックだったのと、店舗で実物を触ってみた感触が購入の決め手になった。
トレールワレットのスペック

前置きが長くなってしまったけどここからが本題。トレールワレットのスペックは以下の通り。これまで使ってきたGUのマルチカードケースと比較する。
| トレールワレット | GU財布 | |
|---|---|---|
| 価格(購入当時) | 2,400円 | 約1,000円 |
| 外寸 | 10.2*6.8*1.1(mm) | 12.3*8.1*0.7(mm) |
| 重量 | 15g | 24g |
| 小銭入れ | あり | あり |
| お札入れ | あり(折り畳み不要) | あり(四つ折り必須) |
| カード入れ | あり:3枚 | あり:4枚 |
| 素材 | ナイロン | 合皮 |
| 備考 | モンベル直営店で購入 | 2021年にGU店舗で購入、販売終了品 |
どちらも財布としては安くて小さい。最大の違いはお札の折り畳みの有無。
アウトドアブランドらしい実用的な外観

トレールワレットの外観はアウトドアブランドらしく、飾り気無く実用重視。正面の小銭入れにはブランドロゴがプリントされる。サイズ感は手のひらに収まるくらいの小ささ。

三つ折りを開くと少し明るめの緑色が見えて、カード入れとお札入れにアクセスできる。ジップやボタンはなし。

重量は15gととても軽い。

素材はモンベル独自の高耐久素材のバリスティックナイロン。モンベル製品は初めて使うから実際の耐久性は未知数だけど、触った限り素材と縫製はしっかりしていて頑丈そうではある。
コンパクトながら使いやすい収納
コンパクトな財布はサイズ感のために収納力や使い勝手が犠牲になりがちだけど、トレールワレットは収納力と使い勝手のバランスが良くて非常に使いやすい。
トレールワレットは三つ折り財布としては一般的かつシンプルな構造。ただし実際に使ってみると使いやすさのためによく考えて作られていることが分かる。
折り目が付かないお札入れ

まず筆者が気になっていたお札の収納。お札を折りたたまずにそのまま出し入れできる構造になっている。使用感を損なわずに使える容量は6枚程度。
2箇所に軽い折りグセがつくけど、折り目自体は付かないし曲がり具合もセルフレジでエラーなく通る程度。まずここでGU財布の不満点が解消されて筆者は満足。

収納スペースが日本の紙幣に最適化されているのも良い。海外の紙幣基準で作られている財布だと収まりが悪いことがあるから、この点は国内ブランドの強み。
秀逸な設計の小銭入れ

次に小銭入れ。トレールワレットの小銭入れには特に使いやすさへの拘りが凝縮されている。
まず収納は見た目以上に大容量で、15~20枚程度なら余裕で入ってしまう。開くと片側に大きなマチがあって、小銭の確認と取り出しがしやすい。

ジップにはロック機構が備わる。取っ手を寝かせるとロック、立てるとロック解除になる。取っ手がプラプラしない・勝手に開かない・ロック機構が開け閉めの邪魔にならない、と隙のない作り。

小銭入れの配置も良い。折り目の頂点から若干下の部分にジップが取り付けられていて、横から見ると折り目、ジップ、小銭ポケットとそれぞれ厚みができる部分がフラットに近くなるよう配置されているのが分かる。しかも小銭ポケットは三つ折りにした時財布の最も薄い部分が来るから、小銭を多く入れても膨らみは最小限に収まる。
この設計に気づいたときはちょっと感動した。
財布の芯を兼ねるカード入れ

最後にカード入れ。ポケットは3か所で使い勝手は至って普通。入れようと思えば1ポケットに2枚入るけど、厚みが増して小銭入れにも影響するからやめたほうがいい。

中央のポケットには固い素材のカードを入れるのがおすすめ。トレールワレットには芯材が入っていないから固いカードが無いと小銭の重みでふにゃふにゃしてしまう。通常使用ならカードは入れるだろうからここは特に欠点にはならないと思う。コンパクトさを重視した財布だから、むしろ芯材を入れて厚みが出るより全然良い。
絶対的な収納力はサイズ上の限界を感じるけど、それでもこのコンパクトなサイズにこれだけの収納ができるのは素晴らしい。
質実剛健・良品廉価。現金用の財布の最適解。

トレールワレットは軽量コンパクトと使い勝手を高い次元で両立している非常に完成度の高い財布。これが2,400円で手に入ってしまうのは何かのバグだと思う。筆者のサブ財布後継機として100点満点の性能で、間違いなく2025年のベストバイに入る良い買い物だった。
普段キャッシュレス決済の人が保険で現金を持っておく入れ物としては間違いなく最適解。非常におすすめ。
正直非の打ち所がないけど、褒めてばかりでも何だから最後に2つ注意点を挙げて終わりにしたい。
1つ目はメインの財布とするには若干心もとない収納力であること。

モンベル自身も「少しでもコンパクトにしたいアウトドアアクティビティに最適」とサブ財布的な用途を想定しているから、あくまでも筆者のように「○○専用」的な使い方をする人に向いている。

2つ目は入手性で、実物を確認できるのはモンベル直営の実店舗のみ。現状2,400円で購入できるのはモンベル直営の通販サイトと実店舗だけで、Amazonや楽天では基本的に外部ショップ経由での購入になる。2025年10月時点の販売価格は約3,000~4,000円と結構割高。それでも財布としては安いほうだけど、最安値での入手は若干敷居が高い点には注意したい。
