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【車DIY】ATOTOのバックカメラをスイフトスポーツ(ZC33S)に取り付けてみた

2023年10月18日

今使っているAndroidナビ、ATOTOがオプションパーツとして売っているバックカメラを取り付けたのでその過程を解説付きでまとめた。

カメラ自体は納車前に買っていたものだけど、納車後はずっと暑い日が続いていたから作業を後回しにしていた。ここ最近でやっと気温が下がってきたから取り付けを行った。

取り付けだけでそこそこの分量になってしまったので、バックカメラ本体のレビューは後日別の記事で投稿予定。

カメラと車種

車種はスズキのスイフトスポーツ、ZC33S型。

取り付けるカメラはATOTO AC-HD03LR

ATOTO AC-HD03LR
created by Rinker

ボディ無加工・パーツ外しは最小限

バックカメラの取付は色々な方法がネット上で紹介されているけど、個人的に重視しているのは車体やパーツに不可逆な改造をしないことと、パーツの取り外しは最小限に収めること。

ボディや内装に穴を開けたり削ったりするのはプロがやるならともかく、素人のDIYレベルでそこまでするのは単純に怖い。内装のパーツ外しはそこまで難しくないけど、付け外しが多くなるぶん時間がかかるし内装に傷をつける原因にもなる。

今回の取り付けでは車体への穴あけなど不可逆な改造はしていない。できるだけ作業の敷居は低く、再現性が高い方法で取り付けを行った。

今回バックカメラの取り付けにあたって、「スイスポくんのカスタム日記」様のこちらの記事を参考にさせていただきました。
※同車種・同モデルの取付をされています。

本記事へのリンク掲載許可につきまして、この場をお借りして感謝申し上げます。

配線図とイメージ

配線図

まず説明書に付属している配線図がこれ。

この配線図ではリバース信号を直接取らずに、反転灯(バックランプ)がONになるリバース信号の代わりにしている。リバースギアの信号は元々車体側の配線から取り出せるようになっているので、その信号をカメラと接続できればバックランプの信号は不要になる。

結論、今回の配線はこんな感じになる。字が汚くて申し訳ない。

車体側ハーネス周りの配線はこんな感じ。

ポイントをまとめると、

  • S8 Proと車体を繋ぐハーネスにはリバース信号を取るための配線が繋がっていない。
  • 別途リバース信号取り出し用ハーネスの調達が必要。
  • カメラのナビ側リバース信号配線とS8 Proのハーネスから出ているリバース信号配線を、車体側のリバース信号配線と繋げる。
  • ACC電源はS8 Proのオプションハーネスから分岐させて確保する。
  • 映像出力端子(黄)をS8 Pro本体に接続する。
  • カメラのカメラ側リバース信号配線(ピンク)とカメラ側アース(黒)は使用しないので絶縁処理する。

配線イメージ

カメラ本体はナンバープレート上のカメラ取り付け用(?)の穴にステーを使って取り付け。

リアバンパーとボディの隙間から配線を出す。

出した配線をリアハッチのウェザーストリップの隙間を経由して天井裏へ持っていき、Bピラー、Aピラー、グローブボックス裏を経由してS8 Pro本体まで持っていく。

用意したもの

今回取り付けにあたって用意したもののまとめ。

品目重要度備考
カメラ本体必須 
車速配線ハーネス必須後述
電工ペンチセット必須ペンチとギボシ端子
分岐用ギボシ配線ほぼ必須リバースギア信号とACC電源の分岐、計2つ必要
ステンレスきれいに曲がる板ほぼ必須後述
ネジ一式ほぼ必須後述
配線通しほぼ必須配線作業が劇的に楽になる
内装はがし必須パーツ剥がしが劇的に楽になる
作業用手袋必須パーツの裏側など尖っている場所が多いので保護が必須
養生テープあると便利傷防止
タオルあると便利後述
エプトシーラーあると便利干渉音防止
ビニールテープあると便利配線の結束

車速配線ハーネス

車体側から出ているリバース信号を取り出すためのもの。安定のエーモン製

今回使うのはスズキ車専用のリバース信号(S-BACK)のみ。

ステンレスキレイに曲がる板・ネジ一式

ステンレス板はカメラ取り付けステーの素材。
ネジ、ナット、ワッシャーのセット。ステーとカメラそれぞれの固定で使用。ステーの固定は6mm径、カメラの固定は3.5mm径。

それぞれホームセンターのバラ売りコーナーで購入した。

完成図を先に見せるとこんな感じ。

このステーは「スイスポくんのカスタム日記」様のこちらの記事を参考に、というより丸パクリさせていただきました。

キレイ曲る板 200mm AP-22
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タオル

ナビとの配線作業時にナビ本体を取り外すとき、配線の長さの都合上シフトレバーの上に立てかけることが多くなる。

タオルを噛ませておくと、周辺の内装保護と作業時の負荷軽減を兼ねられるのでだいぶ作業が楽になる。

取り付け手順

ここからは実際の取り付け作業を手順ごとに解説する。

①配線を通す

リアハッチのウェザーストリップを剥がす。下側と左側を外せばOK。

リアカメラの配線をバンパーとボディの隙間に通す。ここが難所。

映像出力と電源の太い端子を狭い空間に通さないといけない。ぱっと見は絶対通らなさそうだけど、通せる。

リアバンパーはナンバープレート上、中央の部分が左右に比べると少し柔らかくなっていて、押し曲げると少しだけ隙間が広がる。

内張剥がしを突っ込んでリアバンパーとボディの隙間を広げ、そこに配線通しを使ってカメラの端子を通すことができた。

内部にはバックランプの配線があるので避けて通す都合上、若干右側から端子が出てくる。

カメラの配線が通せたら、ウェザーストリップの隙間を伝って天井裏に運ぶ。

CピラーとBピラーの裏側は強度確保のための出っ張りがたくさんあるので、配線通しを使うと通しやすい。

Aピラーまで到達したらグローブボックス裏を経由してナビ裏まで通す。

スイフトの車体サイズだと配線はかなり余る。

配線は後からの微調整と結束処理を考えて、リアハッチ側とグローブボックス側でそれぞれ余裕を持たせておく。

②カメラとナビの配線を接続する

配線が通せたら次は本体との接続。

カメラ端子(黄)をS8のRCIN(黄)に接続する。

図の03へ端子を差し込めば完了。

リバース信号の配線を接続する。

車体からのリバース信号を取り出すために、エーモンの車速ハーネスを車体のカプラーと繋げる。

このハーネスはスズキ車のリバース信号用配線(S-BACK)だけ使用する。

S-BACKをS8のオプションハーネスから出ているリバース信号用配線(ピンク色・RearCamera)と、

バックカメラから出ているリバース信号用配線(ピンク)に接続する。

接続イメージはこんな感じ。

2箇所に繋ぐ必要があるので、エーモンの分岐用ギボシ配線を使用した。上述の配線もそれぞれギボシ加工が必要。

配線の長さが若干足りなかったので、ケーブルを延長して接続した。手持ちの黒色配線を使ったので色が黒いけどちゃんとそれぞれの(ピンク)配線が繋がっている。

後々のメンテナンスを考えてタグをつけておくといいと思う。

次にACC電源の配線を接続する。

車体から出ているACC電源の配線はS8と接続しているので、そこから分岐させてカメラ側の電源を確保する。

写真では分かりにくいけど青色のカプラーがS8のオプションハーネスで、そこから出ているACC電源(赤色)の配線を分岐させてバックカメラのACC電源配線とつなぐ。

写真ではエレクトロタップを使用しているけど、最終的にはリバース信号と同じくエーモンの分岐用ギボシ端子で分岐、手持ちの赤色配線でケーブルを延長して接続した。

③動作確認

この先指紋でベタベタの画像が続くので閲覧注意

配線が完了したらエンジンをかけて動作テスト。

リバースギアに入れるとバックカメラ用アプリ(RCAM)が自動で起動することと、バックカメラの映像が映し出されていることが確認出来たら④へ。細かい位置調整は後から行う。

「信号なし」が表示されている場合はACC電源が接触不良等で正しく接続されていないので繋ぎなおす。

エレクトロタップで配線を分岐したところ接触不良が起こっていたようで、ギボシ配線で繋ぎ直したことで解消しました。

④カメラを固定する

カメラをステーに取り付けて固定する。車体とステーの固定はナットを手探りで入れる必要があるので若干手間がかかる。

取り付け後。ステーの穴がバンパーの穴にピッタリ合うのでキレイに取り付けられる。

バンパーからはみ出していない、ほぼ面一の状態。ステーの工夫次第でもう少し奥に配置することもできそうだけど、カメラの画角など実用性を考えるとこのあたりが落とし所かなと思う。

⑤ケーブル処理と後始末

接続と固定が終わったらケーブルなどの後始末。

端子まわり。使用しないリアカメラとアースの配線はビニールテープで絶縁処理。

ビデオ入力と電源の端子は接続が若干緩い印象があったので、防水処理を兼ねてビニールテープで巻き付けて補強した。

バックカメラ周辺。ケーブルは荷室下側の内装パネル下に逃がす。

理想は画像のようにパネル内に隠すことだけど、見た目以上にスペースの余裕がない。

やむを得ずこのパネルの下側、パンク修理キットが入っている発泡スチロールの隣に逃した。

逃した配線は荷室ボードの下に行くので、見た目も実用性も影響はほぼゼロ。ケーブルは適度にエプトシーラー等を巻き付けて干渉音を防止する。

グローブボックス裏側。ヒューズボックス周辺のスペースに余裕があるので、余ったケーブルを束ねて適当な場所に固定する。

天井裏。内装との干渉音と位置ズレ防止のために一定の間隔でケーブルにエプトシーラーを巻き付けておく。

バンパーとボディの間。

ウェザーストリップに挟み込む都合上ケーブルに相当の負荷がかかると思うので、ビニールテープで補強。

画像はケーブル側が太すぎたので後から巻き直した。

ウェザーストリップは若干変形するけどハッチの開閉には影響なし。

配線をCピラーに向かって持っていくときにここのパーツのつなぎ目に配線が干渉しやすい。元に戻すときは注意。

取り付けと内装戻しが終わったらカメラの調整に移る。

バックカメラ調整

カメラ調整作業はそこそこ広いスペースが必要になるので、作業場所に注意が必要。

下準備

調整作業にはバックカメラ付属品のチェック模様の布を使う。


この布がかなり大きめなので調整作業にはそれなりのスペースが必要。

筆者は人がいない公園の駐車場を使わせてもらって作業した。説明書に従って布を設置する。

説明書の通り、車体と布の位置を約15センチとって調整に入る。

設定画面への入り方

カメラの調整はS8にプリインストールされているRCAMアプリから行う。リバースギアに入れると自動で起動する。


手動で起動した場合もカメラの映像は確認できるけど、設定画面は自動起動で表示される画面からしかアクセスできない。

作業中はブレーキを踏み続けるかサイドブレーキを強めに引いておく必要がある。


リバースギアに入れてアプリが自動起動したら、画面右側を6回連続でタップ、その後画面中央を1回タップすると設定画面が表示される。

①車体のタイプとサイズを入力する

「車両サイズ」をタップする。 車体タイプはセダン、SUV、その他の3種類。


その他はイラストを見る限りピックアップトラック等の車両を想定しているようで、スイフトのようなコンパクトカーはセダンで問題ないと思う。

この車両区分が映像処理にどんな影響があるのかは不明。画面上のイラストが切り替わっているだけかもしれない。

車体サイズは車のスペックに忠実に入力。

「保存して終了」をタップで、入力した情報が保存される。

②キャリブレーション

「較正」をタップすると自動的に較正作業が始まる。10秒~20秒程度で較正結果が表示される。実際に表示されたものがこれ。

画面中央に赤い縦線が表示されるので、「画像の中央揃え」のボタンを使って赤い線にチェッカーの中央を合わせる。


中央に合わせたら今度は上下の調整。カメラが正しく表示できる限界までチェッカーの位置を下げていく。

カメラの描画範囲を超えるとこんな感じで表示がおかしくなる。これが見えない範囲で調整する。

この調整が終わったら今度は「切り抜き」をタップ。

画面がカメラ映像に切り替わり、グリッドが表示される。このグリッドを使って映したい範囲を調整する。

ボディが映り込んでいる部分などを取り除いて見やすい状態にする。

スイフトスポーツの場合は殆どカメラを遮るものが無かったので、端の部分を少しだけ取り除くだけで済んだ。

ここまでの調整作業が終わったら「セーブ」をタップして設定を保存、「出口」をタップして設定画面から出る。

③画面表示の変更

バックカメラの画面表示設定はS8本体設定アプリとRCAMアプリとの2箇所で変更できる。

S8本体設定アプリでできるのは、ガイドラインの有無とカメラ映像の左右反転。

画像右側②の静的参照線は、翻訳が正しければ一部のフォルクスワーゲン車かつ対応したS8のみ使用可能という超ニッチな機能。

とりあえずスイフトスポーツではONにしても特に変化は無かった。

RCAMアプリでは、先程の画面較正設定に加えて画面表示設定ができる。

RCAMアプリ起動時、中央をタップすると調整作業で使用したものとは別の設定画面が表示される。

明るさ、彩度、コントラストが調整できる。ただし筆者の環境ではこの数値を変更しても特に何も変わらなかった。初期状態で十分視認できるのでこの項目は変更していない。

「ライン設定」をタップするとガイドラインの位置や大きさを調整できる。

スタイル2はガイドラインのデザインが変わる。

この辺りはお好みで。

振り返り

以上で取り付けは終了。

作業時間

トータルの所要時間は6時間。途中で休憩を挟んだりトラブル対応で調べ物をしたので実際の作業時間は5時間と数十分程度。正直ここまで長くなるのは完全に想定外だった。

作業が長引いた原因は主に2つ。

1つ目はバックカメラ配線のボディとリアバンパー間の通し作業。

通せそうな位置の確認に時間がかかったのと、ボディと配線の破損リスクを考えて作業が慎重になりすぎたことで1時間以上かけてしまった。

2つ目は分岐配線のミス。

カメラ信号がS8がカメラを検知できない現象が起こり、原因の特定と解消に1時間半程度かかった。原因はエレクトロタップによる分岐配線の不良で、カメラに電源が通っていなかった。

配線の太さと使用するタップの組み合わせは合っていたから恐らく皮膜剥がしが不十分だったんだと思う。

原因が分かった後にギボシの分岐配線に切り替えて解決した。

やっぱり取り付けは大変。

Androidナビ、ドライブレコーダーの自力取り付けでも言ったけど自力取り付けはかなり大変。

車いじりにそこまで興味がなければディーラーやカー用品店にお願いするのがおすすめ。工賃は数万円かかるけど相応の対価だと実際に作業してみて思う。

オートバックスとか用品店なら工賃コミコミセットで少しお得になることもあるから、そっちを検討してもいいと思う。

ATOTO AC-HD03LR
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ATOTO カーハーネス(メーカー別)
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