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【車DIY】前後2カメラ式ドライブレコーダーを自分で取り付ける【70mai Dash Cam Pro Plus+】

2022年のAmazonブラックフライデーでドライブレコーダーを購入した。

Android搭載ナビのATOTO S8 Proを取り付けてからは先進装備皆無のパッソをどこまでハイテクにできるか試すことが楽しみになっている。

今回はその一環として、ドライブレコーダーを自力で取付してみる。無事に取り付けできたのか、実際の作業内容と感想を書く。

取付はかなり大変

先に伝えておくと、前後2カメラタイプの自力取付は、費用の節約目的でやるのはおすすめしない。工賃は数万円かかるけど、カー用品店やディーラーで取り付けてもらったほうがいい。

この結論を前提に読んでほしい。

目的は自動車DIYの勉強

ドライブレコーダーはもしものときに備えて付けたいと思っていたけど、本体費用と一緒にかかる取付工賃が意外と高い。頼む店や車種にもよるけど、オートバックスとイエローハットに問い合わせたときは最低でも15,000円以上から、持ち込んだドラレコの場合は30,000円からと言われた。

だったらAmazonで安く本体を購入して、自分で取付けできればかなり安く済むんじゃないか?と思ったのがきっかけ。

AndroidナビのATOTO S8 Proの取付のときもそうだったけど、一度自分で作業を経験しておけばDIYの知識がつくから、この先クルマを乗り換えても自力取付で維持費を安くできる選択肢が取りやすくなる。この機会に勉強しておこうという考えもあって自力取付に踏み切った。

ATOTO S8 Pro取付の記事はこちら。

勉強という目的があったからなんとかできたけど、大変だったのは事実。時間も道具も準備しないといけないから、最終的な費用はかえって割高になる可能性があるので注意。

取付の概要

前置きはこのくらいにして、取り付けるドラレコについて軽く解説。

購入したのは70mai Dash Cam Pro Plus+ A500S

別売りオプションの駐車監視機能ユニット、70mai Hardwire Kit+ UP02も一緒に購入した。

70maiは主にドライブレコーダーを販売しているメーカーで、スマホで有名なXiaomiのグループ企業。Xiaomiらしく、性能に対する価格の安さが魅力。
通常価格で13,990円(セールでは10,990円)と他社のエントリーモデル並の価格だけどスペックはかなり充実。

  • 前後2カメラ方式
  • フロントカメラはQHD(1944P)
  • リアカメラはFull HD(1080p)
  • 駐車監視機能(1,990円のオプション)
  • アプリで設定から撮影データまで管理可能
  • GPS搭載
  • 128GBのMicro SDに対応

ドラレコは耐久性も重要になってくるけど、Xiaomiグループなら品質も問題ないだろうと踏んで購入した。

電源取り出しはヒューズボックスから

このドラレコは付属のシガーソケット充電器を使ったUSB給電でも動作するんだけど、この場合は電源ケーブルが丸見えになるから見た目が良くない。充電ポートも一つ使ってしまうことになるから使い勝手も悪くなる。

それと、一緒に購入したオプションパーツの駐車監視機能追加ユニットを使うためには、ヒューズボックスから取り出せる常時電源(エンジンオフでも使える電源)が必須になる。

こういった理由があるから、手間はかかるけどヒューズボックスから電源を取る。

リアカメラの取付が大変そう

前後2カメラ方式は車の後ろ側にもカメラを取り付けることになるから、当然リアカメラの配線作業も必要。配線は内装の裏に隠すことになるんだけど、作業量が正面1カメラタイプよりも増えるから大変そう。ここが鬼門になりそう。

以上を踏まえた上で取付けにかかる。

事前の確認と準備

パーツや道具を調達する前に、取り付ける車から分かることを整理しておく。

ヒューズの形状

ヒューズの形状は数種類あって、車によって使われている形状が異なる。電源取り出し用のコネクタはヒューズと同じ形状のものを選ぶ必要があるから、間違えないように事前に調べる。

これを怠ったせいで、取付作業のときにヒューズ形状間違いのトラブルが発生したから必ず確認しておこう。

使えるヒューズの確認

電源の取り出しに適したヒューズとアンペア数を把握する。ヒューズの内訳は基本的にヒューズボックス周辺のパネル、もしくは車の取扱説明書に書いてある。取り扱い説明書はメーカーの公式サイトからも確認できる。

車によって配置や表記が全く違うので、ぱっと見ではどれを使って良いのかわかりにくい。ヒューズの判断にはDIYラボ様のこの記事が役に立った。

内装の外し方と配線イメージの確認

ヒューズボックスにたどり着くためには内装の取り外しが必要。取り外す方法や順番は、同じ車種でDIYしている人のブログや動画が参考になる。

あとは配線の位置と長さもイメージしておくと、延長ケーブルが必要かどうかの判断がしやすい。

用意したもの

事前調査の結果用意したものがこちら。自動車DIY用品は基本的にエーモンで全部揃う。

  • ツールセット
  • 電源取り出しコネクタ 7.5A,10A
  • ヒューズクリップ
  • 配線延長コード
  • 結束バンド
  • パーツクリーナー
  • 紐通し
  • ラチェットレンチ

ツールセット

電工ペンチ、検電テスター、アース用クワガタ端子、ギボシ端子、接続コネクタなど今回必要な一連のツールがすべてまとまったセット。

これ1つに車の電装品DIYに必要なパーツや道具が一通り入っているから、初心者はこれを買えばまず安心。しかも一品ずつ買うより少し安く、収納ボックスもついてくる優秀なスターターキット。

電源取り出しコネクタ

ヒューズボックスから電源を取り出すためのもの。ヒューズボックスにこれを挿して、ギボシ端子加工で駐車監視ユニットと配線をつなぐ。

使うヒューズを事前に調べたうえで、常時電源用に10A、ACC電源用に7.5Aをそれぞれ1つずつ購入。

エーモン ミニ平型ヒューズ電源 DC12V・60W/DC24V・120W 10Aヒューズ差替用
created by Rinker
エーモン ミニ平型ヒューズ電源 DC12V・60W/DC24V・120W 7.5Aヒューズ差替用
created by Rinker

ヒューズクリップ

購入前の調査でヒューズは取り出しにくいと聞いたので、作業を楽にするために買った。

実際の作業ではとても役に立った。100円で買えるから絶対買ったほうがいい。

配線延長コード

事前準備の段階でアース線の長さが足りなさそうだったので購入。延長はギボシ端子で繋ぐ。

結束テープ

エーモンの結束、絶縁用ビニールテープ。結束バンドより取り回しが良く、絶縁や端子の保護用途にも使えるので購入した。

粘着力が高くて結束しやすいのに、糊残りがなくベタつかないので扱いやすく、100均のものより全体的に高性能。車いじり以外にも使えるし、値段もそこまで高くないのでコスパは高い。おすすめ。

紐通し

内装の内側に配線を通すときの補助として使う。エーモンから専用品が出ているけど、今回はケチって結束バンドで代用した。

無いよりはあったほうが便利。

エーモン(amon) 配線ガイド
created by Rinker

パーツクリーナー

脱脂と汚れ落とし用。本来はノンシリコンスプレーを使うらしいけど、同等の効果があるプラスチック対応のパーツクリーナーで代用した。

結果的に今回の作業では必要なかったけど、滑りはとても良くなったから効果は確実にあった。蛇腹ゴムの中を通す配線はこれが必須レベルで役立つ。

ラチェットレンチ

アース用のボルト調節に使う。複数のサイズに対応したやつなら安心。

取り付けの流れ

ドラレコの取付は車種や人によってやり方は色々で、決まった手順は無い。YouTubeで調べて、個人的に一番心配な電源取り出しを先に済ませたかったので以下の順にした。

ギボシ端子の取付は省略している。

  1. 電源取り出し
  2. 動作確認
  3. リアカメラ取り付けと仮配線
  4. フロントカメラ取り付けと仮配線
  5. 仕上げ

①電源取り出し

まず内装パネルを外して、ヒューズボックスとアースする場所を見つける。

パッソのヒューズボックスは助手席収納の裏側にある。助手席収納パネルを外して、ヒューズボックスを出す。

アース処理

いきなり電源を取るのはショートなどのリスクがあるから、先にアース処理をしておく。

ボディアース用のボルトはヒューズボックス近くについていることが多い。パッソも例に漏れず近くにアース用のボルトを発見。ただし位置が悪くて作業性が良くないので、作業スペースが広く取れる助手席足元のボルトにアースする。

足元のボルトは内装パネルに隠れている。まず助手席足元左のパネルを外し、次に発煙筒が刺さっているパネルを取り外すことで見える。発煙筒周辺のパネルは、発煙筒と発煙筒右奥のプラスチックの留具を取ると外れる。

ここが外れるとちょうど良さそうなボルトを発見。ここにクワガタ端子を取り付ける。

ボルトを少し緩めて、その隙間に端子を差し込む。その後に締めればアース完了。

常時電源とACC電源

アース処理をしたら電源を取り出す。

検電テスターで通電確認。エンジンオフでも通電していれば常時電源になる。

エンジンオフでは通電なし、ACC状態で通電すればACC電源になる。

次に使用する場所のヒューズを引き抜いて、左右のどちらから電源が来ているのかを確認する。写真は常時電源の検電チェック時。右側から電流が来ていることが分かる。

このとき、通電している側の方に接続コネクタの配線が来るように挿す。

これで常時電源とACC電源は確保。

トラブル1 ヒューズ形状の確認忘れ

ここで最初のトラブル発生。購入する差し替え用ヒューズの形状を間違えた。

「最近の車は低背タイプが多い」的な話をどこかで聞いてから、現物確認せずに低背タイプを購入してしまった。挿入の直前になってから初めて違うことに気づき、慌てて近くのカー用品店で調達。

配線をカットしてもう一度接続する羽目になってしまった。事前にヒューズの形状の確認は忘れないように。

②動作確認

配線が終わったら動作確認。本体に電源ケーブルを接続する。

接続後に自動で電源が入り、初期セットアップ画面に入った。A500SはSDカードが挿入されていないと設定途中に警告が出るので、接続前にあらかじめセットしておく。

初期設定後、画質や音声の設定を行う。

A500Sの本体設定はすべてスマホアプリから管理できるから、このときの設定は適用にスキップして、後からスマホでまとめて設定するのがおすすめ。

駐車監視ケーブルの認識について

動作確認時、駐車監視ケーブル周りで戸惑ったので書き残しておく。

初回接続時には常時電源からの電源供給で起動するんだけど、この初回起動時には駐車監視ケーブルは本体側で認識されない。一度電源を落として、ACC電源(またはエンジンをかける)からの給電で、初めて本体が駐車監視ケーブルを認識する仕様になっている。

初回は常時電源もしくは内蔵バッテリーで起動しているはずだから、常時電源に繋いでいる駐車監視ケーブルも認識されていいと思うんだけど詳細は不明。

最初は認識しない警告が出てめちゃくちゃ焦るけど、初期不良と決めつけるのはまだ早い。まずは落ち着いてACC給電の動作を確認しよう。

ACC電源からの給電のあとにACC電源OFF(エンジンを切る)にすると、5分後に駐車監視モードに通知が入る。5分後に車体や本体を揺らして、揺れ検知と撮影が出来ていれば正常に動作している。映像は本体のディスプレイまたはスマホの連携アプリから確認できるので確認作業は楽。

③リアカメラ取り付けと仮配線

いよいよ配線。最初に手間がかかりそうなリアカメラから。

配線をきれいに見せるために、リアハッチの裏側に通して、蛇腹ゴムからボディ内側を経由する想定だった。

トラブル2 配線ルート変更

実際に作業に取り掛かってみると、イメージと少し違った。

上述の当初の配線イメージを図にするとこんな感じなんだけど、蛇腹ゴムを通してから、天井裏にうまく配線を通せる場所が見つからなかった。

数十分調べたけどうまくできなかったので蛇腹ゴム配線は断念。ゴムモール経由で直接天井の隙間に通すようにした。

ルート変更後の配線

リアハッチのゴムモールを剥がす。特に工具は必要なく、ボディとの隙間に指を入れて下向きに剥がすと取れる。全て剥がしてしまうと後が大変なので、上部分だけ外す。

外すと天井裏が見える。この隙間を使って運転席まで配線する。仮配線後の微調整に備えて、配線の長さが調節できるように、配線を多少余らせて結束しておいた。

ゴムモールとカメラ間のケーブルは断線防止のために、多少緩めに線を出しておく。

ゴムモールで挟む場所は負荷がかかるから皮膜保護のために結束テープを巻き付けておいた。効果があるか不明だけど無いよりはマシなはず。

運転席まで配線。運転席側のドアのゴムモールを剥がし、ピラー周辺のパネルも外して天井裏にケーブルを仕込む。

フロントドア、リアドアもリアハッチと構造は同じで、ゴムモールを剥がすと天井裏が見える。脱落しないように奥まで押し込む。

運転席周辺まで到達したら、フロントカメラの仮配線に移る。

④フロントカメラ取り付けと仮配線

最初にカメラユニットの位置を決める。カメラ取り付け位置は法律でフロントウインドウの上部20%以内と決まっているので、極端に低い位置にならないようにする。

ディスプレイの視認性とボタンの操作性を考慮して、バックミラー付け根のやや右側、バックミラーに干渉しないギリギリの場所に配置した。

位置が決まったら運転席側から伸びるリアカメラケーブルと、助手席側から伸びる電源ケーブルそれぞれを繋いで、フロントウインドウ上部の天井裏に配線を隠す。

余った配線は結束してAピラーのパネル裏に隠す。

パッソは小型車なのもあってケーブルはかなり余った。1つに束ねると入り切らなかったので2分割して結束することで収まった。

ビビリ音防止のために、既にあった配線に巻きつける形で固定した。

⑤仕上げ

仮配線が終わったら仕上げにかかる。

配線はフロントとリアでそれぞれ結束の位置やケーブルを微調整したあとにパネルやモールを戻す。

あとはヒューズボックス周りの諸々の配線も結束して、

内装を戻して作業完了。疲れた。

配線はほぼ全て隠れているから取り付け前と車内の印象は全く変わらない。取付が悪くてビビリ音がするときは適宜調節する予定。

自力取付のコスト

最終的に今回の作業でかかった作業時間などをまとめると以下の通り。

施工時間は合計で約6時間30分

  • 事前調査 1時間
  • ヒューズボックス配線(ギボシ端子取付含む) 約1時間
  • リアカメラ配線 約1時間
  • フロントカメラ配線 約30分
  • トラブル1 ヒューズ間違い 約1時間
  • トラブル2 リアカメラ配線 約1時間30分
  • 仕上げ 約30分

新規購入したものの費用は合計16,720円

※全て購入当時の価格です

前後2カメラ式の自力取付は手間に見合わない

不慣れな作業だったことと、事前調査不足だったこともあって余計な時間と出費が発生したとはいえ時間がかかりすぎた。

ただ、今回の失敗で注意すべき点は理解できた。取り付ける前は全く無知だったギボシ端子やヒューズ関係のことも多少分かるようになったから、今後の取付はもっとスムーズにできそう。そういう意味では当初の目的だった車DIYの勉強はできたから良かった。

最初にカー用品店で提示された取付工賃は高すぎと思ったけど、車種ごとに適したパーツ選びと配線作業、トラブル時のサポートの委託料金と考えると妥当に思える。車の電装系いじりは下手すると他の電装品が使えなくなったり、最悪走行不能になったりするから車体と命の両方が危ない。

リスクヘッジ費用として考えるならお願いしてしまうのも全然アリだと思う。カー用品店なら店舗購入の商品は工賃が多少安くなるはずだから、全部お任せにするのが多くの人には最適解になると思う。

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