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【Anker PowerCore Fusion 10000 レビュー】充電の仕様が惜しい。

2021年1月31日

充電器とモバイルバッテリーが合体

充電器とモバイルバッテリーを組み合わせた、いわゆるハイブリッド型モバイルバッテリー。

友人が使っていたのもあって以前から気になっていたシリーズで、つい最近発売された上位モデルの10,000mAhモデルを購入してみたのでレビューする。

結論から言うと、従来の充電器とモバイルバッテリーの完全な上位互換ではなく、人によっては中途半端と思える仕様もあった。

とはいえ便利であるのは確かなので、レビューを見て自分の使い方にあっているかどうか参考にしてほしい。

 

外観など

意外とスッキリしたサイズ感&ずっしりとくる重量

Fusion 10000のサイズは82×82×35mm、重量は278g。

サイズは10000mAh帯のモバイルバッテリーと比べると確かに大きくはあるんだけど、突起がないスクエアな形状。どことなく小柄というか、スッキリした印象の外観。

 

以前ガジェット収納用に購入した無印良品のポーチにも無理なく収まった。

その一方で、充電器としては結構なヘビー級重量で、手に持つとかなりずっしりと来る。

2つの機能が合体していることを考えると、

「まあこのサイズと重量なら携帯してもいいかな…?」

というレベルで、携帯用としてはギリギリのところを突いている気がする。

 

近い性能のモバイルバッテリーと比較

サイズ感の参考として、モバイルバッテリーとして近い性能のPowerCore 10000 PD Reduxと比較してみた。

Fusion 10000のサイズは82×82×35mm、重量は278g。

10000 PD Reduxのサイズは106×52×25mm、重量は192g。

当たり前だけど、充電器としての機能がついているぶんFusion 10000のほうが大きくて重い。

写真で見るとこんな感じ。

並べてみると、Fusion 10000の大きさが目立つ。

10000 PD Reduxはカバンやポーチの小さなポケットにも入れられるようなサイズになっている。

 

最大20W出力、2ポート使用で合計15W出力

Fusion 10000はUSB-AとUSB-Cをそれぞれ1ポート備えていて、出力は使用方法によって変わる。

・USB-C単体使用で20W

・USB-A単体使用で12W

・USB-AとUSB-C同時使用で合計15W(それぞれ7.5W?)

大ざっぱに「単独充電はフル出力、同時充電は最大出力が下がる」と捉えておけばいい。

スマホやタブレットをメインで使う人なら必要十分な出力構成だと思う。

 

良いところ

「とりあえずこれ持っとけ」の具現化

充電に必要な機能がまとまっているハイブリッド型はやっぱり便利。

自宅では常に挿しっぱなしにして充電器として使用、外出時にはそのまま外してモバイルバッテリーとして使用することができる。

バッテリー容量も十分で、スマホとタブレットをメインに使っている人はこれ1台でフル稼働も十分可能だと思う。

後述する充電の仕様が気にならなければ、「迷ったらとりあえずこれにしとけばいい」と思える利便性を備えている。

 

USB充電、特にPD関連は機器によって対応出力がまちまちなので、フルスペックを発揮するためには色々と考えないといけないことが多く、ライトユーザーにとっては敷居が高い。

これを一つ買っておけば、別途用意する必要があるのはPD対応の充電ケーブルだけで済む。

十分な性能を発揮するための敷居が低いのもこの充電器の魅力。

 

9,700mAhの安心感

Fusionシリーズでは初の約10,000mAhクラスの容量で、スマホやタブレットなら複数回充電できる。

普段使いや、いざという時の予備バッテリーとしては十分な容量。

今までのFusionシリーズは5,000mAhとやや心許ない容量だったので、確実に進化している。

 

充電周りの注意点

Fusion 10000の充電に関する注意点、というより使ってみて不便に感じたところは下記の通り。

人によってはここで選択肢から外れてしまうんじゃないかと思う。

 

本体バッテリーとデバイスの同時充電は不可

コンセントに繋いでFusion 10000のバッテリーとデバイスを同時充電することはできない。

接続しているデバイスが満充電されてから、Fusion 10000のバッテリーに充電が開始されるようになっている。

ちなみにこの仕様は、執筆時点ではAmazonやAnker公式の商品ページに記載が無く、Anker公式からダウンロードできる取扱説明書でしか確認できなかった。

 

これは個人的にかなり残念なポイント。

本体バッテリーとデバイスへの充電を同時に行って充電の手間を減らそうと考えていたけど、充電器としての働きとモバイルバッテリーとしての働きを並行して行なってくれないから、ハイブリッドの意味が薄れているように感じる。

実質的な運用としては、メインはUSB充電器、モバイルバッテリーはおまけのように考えたほうが違和感がないと思う。

 

以下余談。

この記事を書いている途中にAmazonの商品ページを見たら、商品名に「モバイルバッテリー搭載USB充電器」と書かれているのに気づいた。

Ankerとしても、メインの役割はUSB充電器と捉えて考えているのかもしれない。

 

USB-Cポートからの充電は不可

USB-Cポートは出力専用なので、Fusion 10000のバッテリーへ充電する方法はコンセントのみ。

このバッテリーを選ぶ人はUSBによる本体充電はそこまで重視していないだろうけど、選択肢はあるに越したことはない。

USB充電機能を搭載してくれたら、より便利なものになっただろうなと思う。

 

コンセプトは良いだけに惜しい

十分な容量のバッテリー、スマホやタブレットには十分な出力、そしてハイブリッド型の利便性。

とりあえず1つ持っておいて損はないのは間違いない。

 

ただ、本体バッテリーへの充電仕様などを考えると従来の充電器・バッテリーの完全上位互換とは言い難い。良くも悪くも使用頻度が少ないライトユーザー向けのように感じる。

ヘビーユーザーなら、今まで通り高性能なUSB充電器とモバイルバッテリーの二個持ち運用のほうが快適に使えると思う。

USB-Cの入力対応、本体バッテリーと接続先デバイスの同時充電が実現すればほぼ最強の存在だっただけに惜しい。

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