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【車DIY】Androidナビでステアリングスイッチを全部使えるようにした話【ハーネス加工】

筆者のスイフトスポーツにはAndroidナビのATOTO X10を搭載している。ATOTO X10は従来のナビと同様にステアリングスイッチ操作に対応していて、音楽の音量調整や一時停止が手元で操作できる便利な仕様になっている。

ただしスイフトスポーツ、というかスズキ車では全部のステアリングスイッチを使えるようにするためには一工夫が必要。

ステアリングスイッチを全部使えるようにDIYしてみたからその方法を解説する。

全部のステアリングスイッチを使いたい

まずカーナビとステアリングスイッチが動く仕組みについて簡単に解説する。上の画像のような車側のコネクタをカーナビに繋ぐことで、車からカーナビに電力を供給したりステアリングスイッチの操作をカーナビに伝えたりすることができる。

このコネクタの中には複数の端子がセットされていて、ステアリングスイッチ用の端子がカーナビと繋がることでステアリングスイッチが使えるという仕組み。

スイフトスポーツのステアリングスイッチのうち、カーナビ操作に対応するのは左スポークと左下の2箇所。この2箇所のスイッチはそれぞれ別の配線と端子が使われている。だから両方のスイッチを使うには2つのステアリングスイッチの配線を繋ぐ必要がある。

※以降、スイッチの呼称は以下の通りとします。
左スポークのスイッチ:ステアリングスイッチ1
左下のスイッチ:ステアリングスイッチ2

ATOTO純正のハーネスはステアリングスイッチ2の端子がない

これは購入した後で気づいたけど、ATOTO純正のハーネスにはステアリングスイッチ2に対応するコードが車体側に繋ぐコネクタ配線されていない。だからこのまま取り付けるとステアリングスイッチ2が使えない。

せっかくドライバーが使いやすい場所に物理スイッチが3つも用意されているのに、死んだままにしておくのは勿体ない。何とか使えるようにしたい。

ステアリングスイッチ2を使うための方法

冒頭で説明した仕組みの通り、ステアリングスイッチ2用の配線が繋がればそれで使えるようになる。

車体側のコネクタには当然端子があるから、ATOTO X10と車体を繋ぐハーネスをステアリングスイッチ2対応品にすればいい。たったそれだけのシンプルな話だけど、実現までに意外と手こずってしまったからその経緯も紹介する。

【ボツ案】ステアリングリモコン2に対応したハーネスを買う

まず考えたのはATOTO純正以外のハーネスを使うこと。ハーネスは国内外の色々なブランドから販売されていて商品数も種類も豊富。

最初はATOTO純正と同様に両端がコネクタになっている簡単に接続できるものに絞って探してみたけど、どの商品もATOTO純正品と同じくステアリングスイッチ2の配線がされていないものばかりだった。

片側がギボシ端子になっているタイプなら対応品を見つけた。ただし配線は今後のメンテのしやすさを考えると両端がコネクタタイプのものを使いたい。ということでギボシ端子を使うのは最終手段として一旦別の手を考えることにした。

【ボツ案】端子を購入してATOTO純正ハーネスを加工する

次に考えたのがATOTO純正ハーネスの加工。ハーネスのコネクタは端子が差し込まれているだけの構造だから、ステアリングスイッチ2用のものを追加しようと考えた。

ここで問題になるのが端子の調達。端子はサイズや形状の微妙な違いで規格が分かれていて、端子本体やコネクタには規格や品番を特定する手がかりがほとんどない。専門の通販サイト「配線コム」を調べてみると、コネクタ・端子の特定には色々と情報が必要になるほか、場合によっては一般ユーザーが特定・入手するのは難しいらしい。つまり自力で探すのは非常に難易度が高い。

その後スズキ直販のディーラーなら分かるかもと思って問い合わせてみたものの、端子の品番確認や取り寄せは対応できないと回答された。

【採用】他のハーネスの端子をATOTO純正ハーネスに移植する

以上の経緯を経てたどり着いたのは、部品取り用のハーネスを調達して端子をATOTO純正ハーネスに移植する方法。これなら確実に端子の規格が合うし、失敗した時の予備パーツもいくつか手に入る。

部品取り用のハーネスをもう1つ買う必要があるけど、筆者の場合は以前トヨタ・パッソで使っていたダイハツ車用のハーネスが残っていたのでこれを使った。確認した限りは形状も寸法も同じ、実際に使って不具合もなかった。

ステアリングリモコンの配線を確認する

準備ができたところで移植作業に取り掛かる。まずは端子の位置と機能の割り当てを確認する。

カナック企画が出しているスズキ車用ハーネス「NKK-S81P」の配線図を参考に作成した配線と機能のまとめ表が下記。

上の画像の上段右から3番目、Hの位置がステアリングスイッチ2になる。画像は配線加工を終えた状態。

端子の取り外しと差し込み

続いて部品取り用のハーネスから端子を取り外す。端子は上部の出っ張りがコネクタに引っ掛かることで固定される構造になっている。

コネクタの隙間にマイナスドライバーなどを差し込むとロックが外れて端子を引き抜くことができる。今回は端子が小さいのでマチ針を使って取り外した。

この方法は自動車DIY情報サイト「DIYラボ」を参考にさせていただきました。
カプラー(コネクター)からの、端子の外し方・抜き方

外した端子とコードをATOTO純正ハーネスのコードに繋ぐ。ATOTO本体側のコネクタから出ているステアリングスイッチ2用の茶色いコードにギボシ端子を使って繋ぎ合わせる。繋ぎ合わせたら端子をコネクタのHの位置に挿入する。これでハーネスの加工は完了。

車体側のコネクタにハーネスを繋いで動作確認をしたら作業終了。これで全部のステアリングスイッチが使えるようになった。

機能割り当て

ステアリングスイッチ2の機能割り当ては上から順番に、ホーム画面に戻る、ミュート、音声アシスタント起動を割り当てた。

ステアリングスイッチで安全・快適に運転ができる

ステアリングスイッチは手元を見ずに確実に操作できるからドライバーには嬉しい装備。すべてのスイッチが使えるようになったことで運転中の車内環境がさらに快適になった。

社外品のナビでも全てのスイッチが使えて、しかもボタンの機能はユーザーがある程度自由に割り当てできる。筆者のATOTO X10は純正ナビより更に多機能かつ便利になってより満足度が上がった。

このDIYはステアリングスイッチ2対応のハーネスがあればお役御免になるけど、見つけられないならニコイチが確実な方法だと思う。あくまで自己責任ではあるけど同じ悩みを持っている人は検討してみてほしい。

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