トヨタ・パッソからの乗り換えで購入したスズキ・スイフトスポーツが納車されてから約半年が経ちました。
実際に所有して分かった使用感や感想を紹介するので、購入を検討している人の参考になれば幸いです。
特徴と使用状況
筆者が所有しているスイフトスポーツ(ZC33S)は2023年式の3型、AT、セーフティパッケージ搭載車。
990㎏の車重に140馬力のエンジンを積んだ、ホットハッチと言われるジャンルの車。
走行距離は約3,700㎞。基本的に週末の買い物と時々の外出で使用。乗車人数は主に1人、家族や友人を載せて時々2~3人乗車。
【結論】静粛性以外は最高の出来
最初に結論を書くと、ほぼ筆者の理想形といえる車です。
自分で最初に選んで買った車という気持ちの補正があるかもしれませんが、総合的な満足度はかなり高め。
快適かつ楽しい走り
スイフトスポーツは車名にスポーツと付けられているものの、あくまでもベースは一般的な実用車のスイフト。
設計から純粋なスポーツカーとして作られた車種と比べると絶対的な走行性能は勝てないと思いますが、公道で一般人が運転を楽しむには十分すぎる性能です。
疲れない
スイフトスポーツは乗り心地の良さと走行性能の余裕で疲れを感じにくいです。
乗り心地は少し硬さを感じますが、体にズシンと響かない程度に衝撃を抑えていてスポーツ性と快適性の中間を取っている印象。
走行性能の良さを感じやすいのは加速。巡航状態からアクセルを気持ち踏み足すだけでグイグイ加速していくので、高速道路で流れに乗ったり追越車線を使うときも楽ちんで安全。
街乗り、ワインディング、高速道路とどんな状況でも疲れを感じず快適に長距離を移動できます。
アクセルを踏み切れる速さ
加速力は公道を走るにはオーバースペック気味ですが、アクセルを踏み切れる程の丁度いいパワーで収まっているのが絶妙なポイント。1.4リッターのターボエンジンは加速や追越で踏み込むととても気持ちいいです。
優秀なATの制御
筆者のスイフトスポーツは6速のオートマチックですが制御は優秀。
納車直後から自分の感覚に馴染むシフト制御で、違和感を感じることはなかったです。加減速の調整でパドルシフトを時々使いますが、ハンドルから手を離さずに素早くギアを変えられるのはやっぱり便利。
街乗りの巡航速度は1,600~2,000回転程度で、静粛性と燃費の向上に貢献してくれています。
レブリミットは気にならない
スイフトスポーツのエンジン回転数の上限はメーター上とAT制御で異なっていて、メーター上は約6,200回転に対し、実際は5,900~6,000回転で自動的にシフトアップの制御がかかります。
サーキットを走るならデメリットかもしれませんが、公道なら上限まで回すことはほとんどない。エンジンの特性的に低~中回転の強い加速力を楽しむものだと思うので、筆者は特に気にしたことはないです。
ペダル位置は中央寄り
ドライビングポジションは最適な位置の調整が難しい印象。ペダル配置が中央寄りになっているので、足の位置を基準にしてハンドルやシートを調整する感じになります。
筆者はAT車のためあまり気になりませんが、MT車や本格的なスポーツ走行を予定している人の場合は欠点といえるかもしれません。
ブレーキは慣れが必要
ブレーキは踏み始めからかなり強く効きます。制動力は安心できる反面、カックンブレーキになりやすいので滑らかな停止には結構気を遣います。
個人的にはブレーキの踏力に対してもう少し直感的だったら嬉しかったです。
最初の頃に比べると扱いには慣れてきたと思いますが、同乗者がいる時はブレーキの扱いには神経質になりがち。ブレーキ制御の良い練習と思って乗っています。
日常使いで困らない実用性
スイフトスポーツの実用性は基本的にベースのスイフトと同じで、一般的なコンパクトカーと同等のスペックです。
取り回しは普通
最小回転半径は5.1mと、2024年現行のコンパクトカーとしては並み。
前に乗っていたトヨタ・パッソは4.3mだったので乗り換え直後は感覚の違いに戸惑うことはありましたが、すぐ慣れました。これまで特に困ったことはないです。
最低地上高は気を遣う
最低地上高は120mmと低め。立体駐車場の坂など大抵の傾斜は大丈夫ですが、きつい見た目の坂は身構えます。
店の敷地から出る時に一度フロントタイヤ前の整流板を擦りました。見た目の影響はありませんが少しショックでした…
ハザードの位置は慣れた
スイフトスポーツのハザードはナビ上の奥まった位置なので、体を前に乗り出して押します。
最初は少し気になりましたが今はもう慣れました。
収納は増設がおすすめ
スイフトスポーツは純正の収納が少なく、財布やスマートキーの丁度いい置き場所がないので少し困ります。
サイドブレーキ下はスマートキーがギリギリ干渉しないレベルの空間しかなく、サイドブレーキ操作に干渉しやすいので実質収納としての機能は皆無。
エアコン下のスペースは少し奥まった場所で、使い勝手は微妙。
筆者は収納を追加でオプションのコンソールボックスと
運転支援スイッチの下に小物収納を取り付けました。
使い勝手的にも大抵この2つしか使いません。
時々使うには困らない後席
後席は基本的に荷物置き場ですが、時々大人を載せるには困らない程度の性能です。
後席に乗った友人曰く「乗り心地は意外と良い。ただし絶対的なスペースが広くないのと前席の圧迫感が強めで長時間は辛いかも」という評価。
意外と使いやすい深めの荷室
荷室は他の同格コンパクトカーと比較すると奥行きは控えめで、ハッチと荷室の床には大きい段差があるつくり。
絶対的な容量はそこまで大きくない反面、高さがある荷物を安定して置けるので使い勝手は見た目以上に良好。後席との段差も筆者の使い方では特に気になりませんでした。
静粛性は良くない
スイフトスポーツの明確な欠点は静粛性の低さです。
スポーツカーは走りや音を楽しむ乗り物だとしても、普段使いの快適さを考えると静粛性が高いに越したことはないので、ここは欠点と捉えています。
特にうるさいと感じたのはロードノイズ、次いで天井からの雨音。
デッドニングである程度は軽減可能
ロードノイズはフロアやリアハッチに遮音材や吸音材を貼り付けるデッドニングを施すことで軽減に成功。耳障りな音をかなり抑えることができました。
雨音も同様に天井のデッドニングで抑えることはできると思いますが、パーツの取り外しなどがかなり手間なので現状はノーマルのままです。
外装はまだ綺麗
最後に外装の経年劣化。筆者は納車1か月後に地元のコーティング専門店で塗装と樹脂のコーティングを施工済み。
スズキ車は全体的に塗装や樹脂パーツの劣化が早い傾向にあるレビューをいくつか見ましたが、半年時点では特に目立った変化は無し。
今後どれだけ綺麗な状態を保てるかはコーティングの効果に期待したいところです。
汚れが目立ちやすい
青空駐車をしている以上雨風に晒されて汚れるのは避けられないポイント。スイフトスポーツの場合汚れやすいのはフロントドアのドアミラー周辺。
ドアミラーの水抜き穴から垂れ落ちる水がドアに当たるようで、縦一直線の水汚れが目立ちます。
スイフトスポーツを半年所有した感想
ここまで購入してから半年所有した感想を書きましたが、スイフトスポーツは走りを楽しめる性能と普段使いに困らない実用性のバランスが良い車です。
いくつか欠点も紹介しましたが特段不満といえる不満はなく、普段使いも快適なスポーツカー、というのが筆者の評価です。
この記事を書いた2024年1月時点では新型スイフトの発表があり、現行のスイフトスポーツを新車で買える機会がいよいよ終わりに近づいてきた感じがあります。
現行スイフトスポーツも少し前に値上げされてしまったので、これから買うなら中古のほうがお得かもしれません。