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【OttoAIBox nanoAI レビュー】AI以外は良い【案件】

先日OttoAIBox P3のレビュー案件をもらったOttoCastから、再びレビューの依頼をもらった。

前回と同じく、レビュー内容に特に制限は設けないとのことで引き受けることにした。

実際に使ってみた正直な感想を伝えるので購入の参考にしてほしい。

OttoAIBox nanoAI は OttoAIBox P3の後継機

簡単に製品の概要を説明すると、OttoAIBox nanoAI は OttoAIBox P3の後継にあたるモデル。主な特徴は以下の2点。

  • SoCのアップグレードによる基本性能の向上
  • AIアシスタント搭載

OttoAIBox P3の記事はこちら

レビュー環境

OttoAIBox P3の時と同じく、マイカーに取り付けているAndroidナビ ATOTO X10はワイヤレスのスマホ連携のみ対応だからOttoAIBox nanoAIが使えない。

というわけで有線接続のスマホ連携ができる車を借りて実際に使ってみた。

車両

今回借りたのは日産・サクラ。日産純正の「NissanConnect ナビゲーションシステム」が搭載されているモデル。

スマホ連携用のUSB端子はType-AとType-Cを装備。

スマホと回線

CarPlay用にメインスマホのiPhone15、Android Auto用にサブスマホOPPO Reno11 Aを用意。

回線はメインのY!mobileと、OttoAIBox nanoAI に付属するお試しのクラウドSIM。

OttocastのクラウドSIM

付属していたクラウドSIMは1GBのデータ通信が可能なお試し版で、Ottocastの公式サイトから追加のデータ容量を購入できる。

SIMはドコモ、au、ソフトバンクの回線が自動で切り替わる方式。データ量と有効期限が異なるパッケージで販売されている。

nanoSIMとクラウドSIM、それぞれ自分の運用に合わせた使い分けが可能。

クラウドSIM販売ページ

OttoAIBox nanoAIのスペック

主なスペックは以下の通り。参考に前型となるOttoAIBox P3と比較する。

OttoAIBox nanoAIOttoAIBox P3
価格定価:60,799円
セール価格: 47,839円
※2025年7月時点
定価:48,799円
セール価格: 42,319円
※2025年7月時点
OSAndroid13Android12
SoCSnapdragon680Snapdragon665
RAM8GB8GB
ストレージ128GB128GB
SIMNanoSIM,クラウドSIMNanoSIM,クラウドSIM

AndroidのバージョンとSoCの性能が順当に引き上げられている。

付属品

OttoAIBox P3とはまた違う付属品になっていたので簡単に紹介する。

USBのType-AとType-C、Lightning端子に対応するケーブル。国内通販で1,300円前後で売られているもの。品質はともかく独特で面白い見た目。

MagSafe規格対応っぽいスマホスタンド。吸盤で固定するタイプ。ダッシュボードが平坦な車種なら使えなくもないかも。

OttoAIBox nanoAIのかわいい外観

OttoAIBox P3がシンプルで上品という印象だったけど、OttoAIBox nanoAI はより小さくてかわいい感じ。

正面には小型ディスプレイが備わり、質感高く見えるシルバーの塗装がされている。

側面にはMicroSDとNanoSIMのポートとディスプレイ表示の切り替えボタンがあって、

通気口も備える。

USBケーブル1本で接続

給電はType-Cケーブル1本で接続する。

HDMI接続は非対応なので本体から伸びる配線はこの1本だけ。

ボールマウントに対応

OttoAIBox nanoAIはボールマウントでの固定に対応する。

OttoAIBox P3は置き場所に悩む形状だったけど、OttoAIBox nanoAIはボールマウント対応のアクセサリーと組み合わせて、エアコンのルーバーやダッシュボードなど色々な場所に取り付けやすくなった。ここは良い変更点。

ただし日産・サクラはルーバーの奥行が長いのとルーバー全体が可動するタイプだったから付属のマウントで装着できなかった。

代わりに自宅にあったダッシュボード貼り付け式のマウントを使って固定した。

これは余談だけど、レンタカーということで簡単につけ外しできるゲルテープを使って固定したゲルテープは貼り付け跡が付かない。粘着力が強い・取り外し簡単と3拍子揃っていて、一時的な取付ツールとして便利。レンタカーやカーシェアをよく使う人におすすめ。

OttoAIBox nanoAIの処理性能

AndroidナビやAI BOXはスマホと違ってまだ処理性能が低い水準にあるから、快適に動作するかはスマホ以上にシビアな目で見ないといけない。

OttoAIBox P3から動作感が大幅に改善

OttoAIBox nanoAIの処理能力はSoCからも分かる通り絶対的な性能は高くないけど、車内で音楽を再生したりナビアプリを使うなら十分なレベル。

OttoAIBox P3と比較してみると、P3で出ていたエントリー機種特有の動作の引っ掛かりははほぼ感じず、十分快適といえる水準まで性能が引き上げられていた。

動作感はハイエンドAndroidナビに近い

筆者はマイカーに2025年時点でもハイエンド機種のAndroidナビ ATOTO X10を毎日使用している。動作感はX10と同等にはいかないまでも、あと一歩といえるレベルにまでは近づいている。

せっかくAndroidで高機能になったところでまともに動かなければ意味がないから、重要な基本性能を上げてきたのは良いポイントだといえる。

分かりやすいUI

UIは基本的にOttoAIBox P3を踏襲。コントロールセンターやメニューは表示が大きめで車載向けにカスタムされている。このあたりの出来は相変わらず良い。

CarPlayのもっさり感はほぼゼロ

本体の動作と同様に、スマホ連携(CarPlay/Android Auto)でも動作は良くなっていた。

CarPlayはもっさり感はほぼ完全になくなって、不満なく使えた。

Android Autoは若干カクつくが十分快適

Android AutoもOttoAIBox P3より明らかに動作は改善しているものの、CarPlayに比べると若干カクつく。ただし許容できるレベルではある。

小型ディスプレイでできること

本体正面の小型ディスプレイには、表情・時計・再生中の楽曲表示・Wi-Fi情報の表示と、4つの情報を切り替えて表示できる。

デザインや表示の変更は本体にプリインストールされている専用アプリまたは本体側面のボタンから操作する。

タッチ操作には非対応。単純に見て確認するだけの用途になるから、時計表示との相性がいいと思う。別に無くても困らないけどあるとちょっと便利かも。

AI機能は完全におまけ

OttoAIBox nanoAIの一番の売りは製品名にもある通りAI機能の搭載だけど、これは現状実用に耐えない完全なおまけ機能だった。

音声アシスタントは2種類用意されている。「Hey Nano」で起動して音声コマンドで本体を操作する役割の「Nano」、「Hey GPT」で起動してGPT-4ベースのAIとやり取りができる「GPT」と、それぞれ役割が分かれている。

Nanoは音声による本体操作ということで、SiriやGoogleアシスタントに近い存在。ただし受け付けてくれるのはあらかじめ本体側で設定されたワードだけで、使える範囲は非常に限定的。

例えば「○○駅までの経路を案内して」という指示をするとGoogleマップの目的地設定をしてくれるけど、「近くのガソリンスタンドを検索して」という指示に対しては非対応ですと返されてしまう。自然言語は基本的に受け付けてくれない。

GPTのほうは旧世代のGPT-4を使用したもので、Web検索による最新情報の取得は不可、回答も当時の本家GPTより劣る感じの内容で、暇つぶしの雑談に使うくらいしか用途が思いつかなかった。

今後アップデートで改善される可能性はあるにせよ、現状どちらも残念な性能だった。あとはアシスタントの役割をユーザーが把握して起動ワードを使い分けないといけないのも面倒。アレクサなど後からアプリをインストールして使うものなら分かるけど、標準搭載でこの仕様は単純に使いづらい。現時点では、間違ってもAI機能目当てで検討してはいけない。

自動車との相性問題はOttoAIBox P3と同じ

OttoAIBox nanoAI本体と車の接続相性問題はOttoAIBox P3と同じ。

OttoAIBox P3の時はトヨタ・カローラのUSBポートの仕様上変換アダプタを複数使う必要があったけど、

日産・サクラの場合はUSBケーブル1本でType-AとType-C両方に接続できた。

ただし2本指の操作には対応していないので、一部アプリの操作は限定される。

ここはメーカー・車種・年式・グレードと複数の要素が絡むと思うから、公式の動作確認表などを確認してほしい。

CarPlay対応車リスト

車載用Android端末としてはアリ

総評としてはOttoAIBox P3からのSoCのアップデートによる処理能力・動作感の改善が魅力だと感じた。

繰り返しにはなるけど、Androidナビやこの手のAI BOX市場にはまだまだ処理性能が十分ではない製品が多い状態。その中で基本性能を手堅く引き上げてきたOttoAIBox nanoAIは、純粋な車載用Android端末としてみると良い方向にコストをかけた機種だと思う。

最近の車種は純正カーナビ・オーディオからの換装ができないものも増えているなかで、USBケーブル1本の接続でワイヤレスCarPlay/Android Auto化ができること、Androidのアプリを車載端末上で使えるのは便利。

あとはAndroidナビ・AI BOXとしては価格が高めなのがネックだけど、純正ナビでもUSBケーブル1本でハイエンドのAndroidナビに近い体験が得られると考えれば、アリな選択肢と感じた。

Androidナビが使えない車種に乗っている人、ナビの交換は面倒だけど簡単に機能を拡張したいという人なら候補に入れていいと思う。ただしAI機能は完全におまけ。くれぐれもその点は把握したうえで購入を考えてほしい。

クーポン

今回はOttoAibox NanoAIとクーポンコードを提供してもらった。1年間の延長保証の自動適用と、商品によっては公式サイト限定で無料特典が付いてくる。検討中の人は是非。

Ottocastの全商品対象で、購入額10,000円以上で使える1,500円OFFのクーポン。アクセサリー等の購入時に使ってほしい。

クーポンコード:cb1500

OttoCast 公式サイト

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