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【静音計画】予算5,000円で車の静音化パーツを試してみた

2022年5月8日

親戚から譲ってもらった今のマイカー、トヨタ・パッソはとにかく色々と騒がしいクルマ。

少しでも静かに、快適なクルマにしたいという思いから、後付けの静音グッズを使って簡単なDIYをしてみた。

効果はタイトル通り微妙なものだったけど、DIY自体は決して無駄ではなかったので取り付けから感想までをまとめる。

静かなクルマにしたい

パッソはもともと、軽自動車のように手軽に使える日常の足として作られたクルマで、トヨタのラインナップでは最も下の車格。実用優先で、エンジン質感や静粛性といった贅沢な要素は必要最小限。

だから走行中はエンジン、ロードノイズ、風切り音が盛大に車内に溢れる。7万キロ近い走行による経年劣化もあってか、最近は不快に感じる内装のビビリ音も目立ってきた。

近場の移動手段として割り切るなら騒音はさほど気にする必要はないかもしれないけれど、数十kmの移動や高速道路を使うとなると話は別。

騒音による疲労は自分の気づかないうちに溜まっていくし、速度域が上がれば空気抵抗等で騒音レベルもどんどん高くなる。移動手段としての快適性を上げるためにも、静粛性を上げるための工夫はしたい。

余計なノイズを減らして運転に集中したい

それに、クルマ好きとしてはもっと運転が楽しいクルマに仕立て上げたいという気持ちもある。今回の目的である静粛性の向上で、疲れにくい、運転に集中しやすいクルマにしたかったこともあってDIYをすることにした。

パッソの発するノイズ

パッソが発するノイズについて、体感で感じられる音量順に並べるとこんな感じ。

 

エンジン音 > ロードノイズ > 内装のビビリ音 > 風切り音

 

音量だけで考えるならエンジン音とロードノイズを真っ先に対策したい。ただ、はっきりとした効果を得るにはボディ全体への施工が必要になるから、手間と費用がかなり大規模なものになってしまうので今回は手をつけないことにした。

それに、いくら後付で手を加えたところで元のエンジンと車体性能が低いから、このあたりの性能アップを求めるならクルマそのものを替えたほうが安上がりのはず。ここはクルマの車格上妥協せざるを得ない。

だから今回はお手軽DIYで手を付けやすいと思われる、ビビリ音と風切り音に絞って対策することにした。

ハサミだけでできるお手軽DIY

今回購入したパーツは3つ。合計約5,000円。

・エーモン 静音計画 ビビリ音低減モール ダッシュボード用 2676

・エーモン 静音計画 風切り音防止テープ ドア用 4819

・EXEA エアロフィンプロテクター クリア EW-133

その他、あると便利なものは以下の通り。

・水性ペン

・ヘラ、使用済みテレホンカード

・パーツクリーナー

・マイクロファイバータオル

このあたりは今回に限らず、クルマのDIYには何かと役立つアイテム。以前オーディオを自分で取り付けたときにも活躍してくれた。

ダッシュボード用テープは最初戸惑う

まずダッシュボード用テープ。ダッシュボードとフロントガラスの間にゴムモールを挟むことで、ダッシュボードに伝わる振動をモールで軽減させるというもの。

とにかく隙間にモールを押し込むだけの単純作業なんだけど、どこまで押し込んでいいのか最初は分からなかった。

付属の説明書を見る限り、ストッパーは沈みこませてモールは平坦に、そして奥側のゴムはガラスの下側に沈み込ませるようにしないといけない。この状態にするには指で軽く押し込むだけだと不可能に近い。ヘラやテレホンカードなど、細く硬いものを使ってぐいぐい押し込む必要がある。

指とヘラを併用して最初に至った状態がこれ。これはダメな例。ストッパーが沈みきっていない斜めの状態なので、ここから更に押し込む。奥のゴムも反り返っている場所があるのでガラス側に持っていく。

最終形態。ダッシュボードと平行な状態になり、元々ワイパーで黒く見える場所なので後付感はほぼゼロ。

風切り音テープは下準備が必要

次に風切り音防止テープ。ボディとウェザーストリップの隙間をゴムテープで埋めて、密閉度を上げることで静粛性を上げる。

パーツクリーナー等で取り付け位置周辺の汚れを落としたら、実際の取り付け位置のマーキングをする。

ウェザーストリップに水性ペンでマーキングし、ドアを閉めてボディに転写する。

注意点として、水性ペンはインクがやや多めに出ている状態で線を書き、インクが乾く前に素早くドアを締める。インクが乾くと転写がうまくいかないので、10秒書いたら即閉める、ぐらいの感じで頻繁に開け閉めするとうまくいく。

転写されたラインをなぞって、ドアのヒンジ付近からテープを貼っていく。

貼り終えたらウェザーストリップのインクを拭き取り、ドアを閉めて圧着させて終了。

 

エアロフィンはAピラー付近に貼り付け

そしてエアロフィン。

小さな突起で車体周辺の空気にわざと乱流を発生させることで、空気抵抗を減らし、操縦安定性や燃費の向上、それに風切り音の軽減に貢献してくれる。らしい。専門的な知識は皆無なので、詳しくは調べてほしい。

正式名称はボルテックスジェネレーター。有名なのは多くのトヨタ車に装着されている「エアロスタビライジングフィン」。Aピラーやテールランプに付いている長細い突起で、名前こそ違えど役割は同じ。

本題に戻ると、今回用意したのは星光産業のエアロフィンプロテクター。これを風切り音が気になる場所に付属の両面テープで貼り付ける。

貼り付ける前に、パーツクリーナー等で汚れや油分をしっかり落とすのを忘れずに。

ミラー付近の風切り音低減のために、ミラーとAピラーの間に2つずつ取り付けた。

黒地にクリアパーツだから、外から見ると後付感が強い。黒にしておけばよかったと少し後悔した。

ただ、サイドミラーで死角になる場所だから意外と見えづらいし、

車内からは覗き込んでも全く視界に入らないからこのまま使うことにした。

効果を確かめる

取り付けたところで早速テスト。体感による印象と、スマホの騒音計アプリによる簡易的な数値計測をしてみた。結論から言うと、手放しでは喜べない微妙な結果に終わった。

計測による効果は微々たるもの

ダッシュボード上のホルダーにスマホをセットして騒音計アプリを起動、施工前と施工後、それぞれ同じコース上をできるだけ同じペースで走って計測した。

あくまでスマホの簡易計測なので、デシベル数は絶対的な数値ではなく、施工前と施工後を比較する相対的な数値として参考にしてほしい。その結果は以下の通り。

施工前 施工後
アイドリング 48db 46db
0~60加速時 70~76db 69~77db
60km巡航 66db 65db

数値を見ると残念な結果としか言えない変化の無さ。数値上の改善は皆無といっていいと思う。

2022/5/22修正

アイドリング時の数値が誤っていたため修正しました。

体感で分かった外部のノイズ軽減

数値上は変化がなくても、人間が感じる音には少し変化があった。

最も効果があると思ったのは、外部から侵入するノイズが少なくなったこと。近くにいる車のエンジン音や人の声が小さくなり、より遠くから聞こえるような印象になった。ドア周りに貼ったゴムテープで密閉性が上がった効果を感じ取ることができた。

 

次にダッシュボードのビビリ音。

これまでは60km前後で走っていると運転席側のエアコン周りから小さなビビリ音がして鬱陶しかったんだけど、ほとんど聞き取れないレベルまで軽減された。気になっていた音が小さくなったのでこれも効果ははっきりと出ている。

 

最後にエアロフィン。

エアロフィンが関係してくるのは主に風切り音なんだけど、風切り音は60km未満がメインの市街地走行では全く違いがわからない。80km以上出す高速道路なら、風切り音は以前より少なくなっていることがわかる。

カーオーディオの音量を以前より上げなくても、同じレベルの音として聞き取れるようになった。施工前は音量+4していたところを、+2する程度で十分聞こえるようになった。

あくまでも高速域限定で、エアロフィンによる風切り音低減は感じられた。

ドアは強めに閉めないといけなくなった

効果というよりデメリットだけど、ドア周りにゴムテープを挟むぶん、ドアは施工前より明らかに閉まりにくくなった。

気持ち強めに閉めてあげればそのうち慣れるから問題ないと思うけど、他人の車に乗る機会が多い人の場合は、いつもの癖で勢いよく閉めると悪印象を持たれるかもしれないので気をつけたい。

音量ではなく音質が変わった

数値、そして体感では絶対的な音量は変わっていないから静粛性が上がったとは決して言い難い。ただ、体感で音の聞こえ方というか、音質ははっきり変わったと感じ取れた。

気になりやすかった音や不快に感じていた音は確かに軽減されたので、聞こえてくるノイズの音質が上がったという印象。

その代わり、エンジン音やロードノイズが更にはっきりと聞こえやすくなってしまったので評価は難しい。

 

絶対的な静粛性向上は難しい

今回のDIYは、それぞれのパーツの効果は実感できたものの絶対的な静音化は出来なかったという、なんとも微妙な結果だった。不快な音が減ったことには満足しているけど、自分が思っていたほどの効果はなかった、というのが正直な感想。

どんなに後付で頑張ったところで、車格・価格といった壁がある限りは静粛性の高い車に仕上げるのは至難の業。

結論ありきの話のように聞こえてしまうけど、冒頭に書いた通り、高い質感を求めるなら車格を上げたほうが手っ取り早いのだと再認識した。

ただし、今回使ってみた各種パーツの効果ははっきりと感じ取れたのは事実。

後付の静音グッズは「車内の静粛性を上げたい」というより「気になる〇〇の音を減らしたい」といった、ピンポイントで不快に感じる音の軽減として使うと、イメージに近い仕上がりで満足度は高くなると思う。

今回用意したパーツは1,000円~2,000円と、自動車用品としては安価な部類で原状復帰もしやすい。お試しで一つ買ってみる価値は十分にあると思う。

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