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【ATOTO X10 6か月使った感想】 Androidナビの新たなスタンダード

2024年にATOTO S8 Proからの乗り換えでATOTO X10を購入して、我が愛車スイフトスポーツに取り付けた。

取り付けから約6か月が経過して、当初から評価が変わったところはあるのか、長期使用レビューとして改めて解説する。

X10は最高クラスのスペックを持つAndroidナビ

ATOTO X10は2024年の8月ごろに発売されたATOTOのフラッグシップAndroidナビで、2025年2月時点でもAndroidナビとしては最高クラスの性能を持つ。

スペックの概要は以下の通り。

  • Snapdragon665搭載
  • メモリ8GB
  • Android13ベースのカスタムOS(AICE UI 13.0)
  • 解像度1920*800のQLEDディスプレイ
  • HDMI入力対応
  • ワイヤレスCarPlay/Android Auto対応
  • 70,000円~90,000円台
  • 7インチ、9インチ、10インチの3ラインナップ

これまでのフラッグシップだったS8シリーズと比べるとUIや動作の安定性が大幅に改善されていて、従来機種から完成度が一気に高くなっている。

ストレスを感じない処理性能

X10のSoCはSnapdragon665と数年前のエントリースマホに使われていたものだけど、メモリは8GB搭載されているおかげもあってか意外と快適な動作感になっている。

よく使うナビアプリや音楽アプリはサクサクだし、YouTubeやAmazonプライムビデオの高画質再生もほぼ引っかかりなく快適に視聴できる。

システムアップデートやダウンロードが早くなった

特に処理性能の差を感じるのはアプリのアップデートやオフラインコンテンツのダウンロードで、S8 Proよりも明らかに処理速度が向上した。

とはいえ最近のエントリー級のスマホでよく使われているSoCのHelio G99には体感で一歩及ばない程度ではあるけど、S8 Proを使ってきた身としては感動するレベルの性能向上は感じられるし、現状Androidナビの用途に対しては十分な性能ではあると感じた。

OS・アプリともに安定した動作

S8 Proで気になっていたOSとアプリの安定性の低さは、X10に乗り換えて以降非常に安定して動作している。突然アプリが落ちたり再起動したりといった現象は今のところ発生していない。

安定性の低さはこれまでのAndroidナビの欠点で、Androidナビというジャンルを玄人向けたらしめていた理由の1つではあったけど、ここが改善されたことで導入の敷居は明らかに下がったと思う。

CarPlay/Android Autoも安定している

当初気になっていたCarPlay・Android Autoのワイヤレス接続に関しては安定した動作で、特にCarPlayはほぼ毎日使っているけどまだ1回も途切れたことがない。S8 Proの経験から正直あまり期待はしていなかったけど、いい意味で裏切られた。

接続が完了するまでのスピードも速くなっていて、全く不満なく使えている。

10インチディスプレイの操作性はとても快適

X10の10インチディスプレイは車載端末としては十分大きくてとても使いやすい。

S8 Proから言い続けているけど、一度この画面サイズに慣れてしまうと10インチ以下のサイズには戻れない。運転時の視界や操作を妨げない限り、ナビ画面は大きければ大きいほど良い。

全面タッチパネルは不満なし

物理ボタンが無くなったけど、運転中は基本的にステアリングスイッチで操作が完結するから意外と困らなかった。

スイッチがない車種の場合はATOTO純正アクセサリーのリモコンで代替できる。

スイフトスポーツなら13インチも導入できるかも

スイフトスポーツの場合はまだナビ周辺の空間に余裕があるから、もう少し大きいサイズも使えそう。もしATOTOが10インチ以上のサイズを出してくれればまた買い替えるかもしれない。

既に他社からは13インチの機種が発売されているけど、現状は品質や信頼性の面でATOTOから変えるつもりはない。ぜひATOTOも大画面モデルを出してほしいところ。

S8 Proより音質が良くなったかも

Screenshot

S8 Proと比べると、全体的に音が明瞭になって音質が良くなった感じがする。内蔵アンプの性能が上がったりしたのかもしれない。

速度に応じた音量調整や音域ブーストもいい感じに動作してくれる。運転中に聞く音としては特に不満なし。

走行記録はかなり長い期間残せる

X10には走行記録を残す機能が搭載されていて、独自アプリ「Track HU」を経由して管理できる。画面上のQRコードからアクセスできるページをブックマークしておけば、いつでもパソコンやスマホから確認できる。

情報の保存期間はかなり長めで,2025年2月時点で取り付け時(2024年8月)からのデータが閲覧できた。データは緯度・経度・速度・走行距離・住所と一通りの情報が見られる。

データの更新頻度は約30秒で、過剰なくらい細かく見られる。

グラフ表示にも対応。

走行軌跡はGoogleマップ上に表示される。トラッキング精度はかなり高く、ほぼ完璧に経路をトレースしていた。画像は鳥取県の大山へドライブに行った時のもの。

で、使い道は?

ここまで細かく確認できるのはすごいと思う反面、使い道があるかと言われると微妙。考えられるのは、車旅行の経路確認、車両盗難時の追跡、営業車に搭載してサボりチェック、相方の車に搭載して浮気チェック、くらいだろうか。

だけどこういうロマン機能は面白くて好き。

データ保存先のリスクはある

この情報は中国のサーバーに保存される仕組みで、チャイナリスクはどうしても付きまとう。一般人が車両の位置情報を抜かれたところで困ることはないと思うけど、気になるならこの機能はオフにすることもできる。

筆者は保存期間などの検証や、万が一盗まれた時の追跡機能として使い続ける予定。

【運用】データ通信はワイモバイルとPovoの二刀流

出典:Y!mobile

X10のデータ通信運用、はS8 Proの時から変わらずワイモバイルのシェアプランSIMとPovoのWi-Fiテザリングの併用で対応。

ワイモバイルはシンプルMの月15GBで、メイン回線とデータ量は共用。お気に入りの音楽や動画はオフライン保存を使ってデータ量を節約、必要になった時だけデータ通信を使う運用で事足りている。

遠出やファームウェアアップデートのときはPovoの24時間データ使い放題で補助している。

もっとコスパがいいプランが見つかるまではこの構成で運用を続ける。

【運用】カスタマイズは最小限

購入時レビューでも書いた通り、X10はカスタムOSの完成度が上がってユーザー側の設定変更の必要性が薄くなったのと、OSの仕様上カスタムできる範囲が従来機種よりも少なくなったからS8 Proほど弄っていない。

購入から6か月経過した今でも、ほとんど初期設定のまま。使っているアプリも基本的にS8 Proから変更なし。当時の記事は下記。

【不満】Googleマップのナビアイコンが使えない

X10は既定のナビアプリを起動するショートカットアイコンが用意されていて、初期設定のアプリではGoogl マップが割り当てられている。

OS上ではGoogleマップのアイコンがATOTOのショートカットアイコンに置き換えられていて、ホーム画面上にGoogleマップのアイコンを配置できなくなっている。既定のナビアプリを変更しても表示はそのままだった。

アイコンが見慣れないから最初は違和感がある。こういうところは独自路線を出さなくてもいいのにと思う。

【不満】リリースノートが確認できなくなった

従来製品のシステムアップデートはサポートページ上のリリースノートから確認することができた。画像はS8のサポートページのもので、何がどう変わったか結構細かく書かれていた。

プリインストールアプリのバージョンや仕様変更といったところまで確認できていたから結構重宝していたんだけど、X10の発売頃にサポートページがリニューアルされてリリースノートが消滅してしまった。

X10の更新時に確認できる情報はファイルバージョンとデータ容量くらいで、具体的にどこが更新されたのかが分かりづらくなってしまった。

ATOTOはソフトウェアアップデートを頻繁に行っていて、機能追加やバグ修正には積極的に対応してくれる印象が強い。X10も購入以降は4回ほどアップデートがあって、購入当時からいくつか更新が確認できたところもある。

どこが更新されたのかを細かくチェックする人は少数派だと思うけど、わざわざAndroidナビを買うガジェットオタクなら内容を確認したい人は一定数いるはず。ここは以前の仕様に戻してくれると嬉しい。

【不具合】時々音楽再生がバグる

これはごく稀に発生する現象で、スリープから復帰したあと(エンジンをかけたあと)にUSBメモリ内の音声ファイルが勝手に再生されることがある。

すぐに停止からいいけど困る。今後のアップデートによる改善を期待。

X10はAndroidナビの新たなスタンダード

ATOTO X10を6か月使ってみた総評としては、性能も使い勝手もS8 Proから順当に良くなっていて、とても満足できる買い物だった。

やっぱりソフトウェアの改善による安定性の向上が満足度に大きく貢献している。かつてのS8 Proのように、まともに使うためにユーザーがあの手この手を駆使するのはもはや過去の話。

2025年2月基準で快適に使えるAndroidナビを求めるなら、X10は非常におすすめ。

S8 Proは色々と試行錯誤してAndroidナビ界隈をより深く知るきっかけにもなったし、何回もブログのネタにさせてもらった。

使いこなすために色々弄る手間や余地が無くなったのは少し寂しいけど、車内を快適に過ごすためのツールである以上、余計な手間なく使えるほうがいいに越したことはない。

もう少し画面が大きいと嬉しいかも

とても満足していると言いつつ、前述の通り画面がもう少し大きくても今の車なら取り付けできるはず。ATOTOからもっと大きい画面の端末が出たら買い替えるかもしれない。

ATOTOに限らず、今後国内展開を積極的に行うブランドが出てきたらそこの製品を試す予定。

ATOTO X10 10インチ
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ATOTO X10 9インチ
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ATOTO X10 7インチ タッチパネル式
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ATOTO X10 7インチ 物理ボタン式
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